もうすぐ秋の行楽シーズン!! …といえども、まとまった期間に先々の予定を立てて旅行へ、という人ばかりではない。本稿では「突然1日あいた! どこか行きたい!!」というスケジュールに最適な1日ドライブ満喫旅行を提案したい。首都圏から約2時間、往復250km無給油、人気のレジャースポットに美味しいごはん。特に「常陸乃国いせ海老」は絶品なので、ぜひこの夏、体感してほしい!

文:萩原文博、写真:萩原文博、一般社団法人いわき観光まちづくりビューロー、取材協力:山口楼、アクアワールド茨城県大洗水族館、提供:経済産業省


近い、安い、うまい、楽しい、そして…涼しい!!!!

 東京からクルマで2時間圏内となると魅力的なスポットがいくつか候補となるが、この夏~秋、ベストカーWeb編集部がぜひとも推したいのが茨城県大洗地方。日帰りで充分楽しめるうえに、ごはんが美味しく、レジャースポットも充実。

 ここはひとつ、日帰り大洗ツアーを満喫しようじゃないか、とプランを提案します。

ドライブプランのために用意したのは三菱アウトランダーPHEV。めちゃくちゃ燃費がいいうえに乗り心地も抜群

 突然ではあるが、年々「暑さ」が厳しくなる日本において、茨城の魅力のひとつに「すずしさ」があることをご存じだろうか。茨城県北部にある北茨城市や日立市は、「関東の避暑地」と最近注目されてはじめている地域。

 北茨城市の夏(7~8月)の平気気温は25°C前後(令和3年度計測時)と過ごしやすく、猛暑日と言われる35°Cには滅多にならない地域となっている。また、海流や気候の影響により食材の北限、南限が多く、新鮮な海の幸、山の幸が豊富で、まさに「東京の台所」と言えるのが茨城県なのだ。

大洗は観光スポットが密集していて回りやすい

 そんな茨城の、東京からの玄関口にある観光スポットが「大洗」(東茨城郡大洗町近辺)。大洗には海水浴の楽しめる大洗サンビーチ海水浴場やパワースポットの大洗磯前神社など、レジャースポットが豊富。今回は編集部のある文京区音羽から首都高に乗って常磐道を経由し、友部JCTで北関東道を通り、ひたちなか方面へ。水戸大洗ICで降りて、一般道を20分ほど走行すると最初の観光スポットである「那珂湊おさかな市場」に到着する。

 着いた直後に腹ごしらえを狙うあたり、食いしん坊が多いベストカーWeb読者向けのプランとなっております。

新鮮な魚介類を食べられる那珂湊おさかな市場

 駐車場は那珂湊港沿いにあり、乗用車は4時間まで100円という驚きの安さ。関東を代表する観光市場で年間約100万人が訪問するというスポット。その日の朝に水揚げされた新鮮な魚介類をリーズナブルに販売する量販店街&食堂街となっている。

 那珂湊おさかな市場は、8店舗のお食事処と4店舗の海産物販売店が軒を連ねている。我々は、海産物販売店とお食事処を経営する「魚一」でランチ。2,200円の海鮮丼は、丼ぶりから刺身がはみ出るド迫力。ちなみに新鮮なあじ、真ダイが食べられる刺身定食は2種盛りで1,650円。3種盛りで1,980円。脂ののった塩サバの焼魚定食は1,320円というリーズナブルな価格。

 お土産にアジやシラスを買い求める場合は保冷バッグを忘れずに持っていきたい。

【参考サイト】那珂湊おさかな市場

 お腹を満たしたら、「那珂湊おさかな市場」からも見える(クルマだと5分)「アクアワールド・大洗」(正式名称:アクアワールド茨城県大洗水族館)で暑さを忘れて、海の神秘に浸る。この「アクアワールド・大洗」、見どころは山ほどあるものの、あえてひとつあげるなら「サメ」。国内では最も多い飼育種数となっており、約60種類のサメを飼育している。

サメの飼育種類数日本一のアクアワールド・大洗
約580種、68,000点の生物を展示。中でも注目は「サメ」。国内最多、約60種のサメを飼育している

 また、クラゲのエリアは3月にリニューアルして、映像と季節ごとに変化する香りの演出で幻想的な空間となっている。

光と音の演出で楽しめるクラゲ大水槽「くらげ365」。ぼんやり見ていると1時間くらい楽しめる

 そしてお子さまだけでなく、大人も興奮するのが、イルカ・アシカのオーシャンライブ。20分くらいのライブで、アシカとイルカがパフォーマンスを行う。

高くジャンプするイルカのパフォーマンスは圧巻

 今年の夏は、イルカ・アシカたちからの水しぶきをいつもより多く客席へプレゼントしてくれるそうだ。客席前方に座って全身で水しぶきを浴びるもよし、客席後方に座って迫力あるライブを楽しむのもいいだろう。

 取材対応してくれたアクアワールド・大洗の経営企画課、和田真憲主任に「ちょっとお得な入場方法はありますか」と聞いてみたところ、「朝一(営業時間:9:00~17:00 (最終入館16:00))は入場の列が長くなるので、ゆっくり見たいというのであれば夕方に見学するのがオススメです」とのこと。

 毎週土曜日(除外日あり)は「NIGHT AQUAWORLD」と銘打って18:00~20:00(最終入場19:00)に夜間営業を実施。月光のようなライティングの中で泳ぐサメ、めちゃくちゃ美しいです。

 アクアワールド・大洗では、サメたちの給餌の様子が見られる「シャークウォッチング」など、たくさんのプログラムがあるので、公式サイトをチェックしてから来館しましょう。

【参考サイト】アクアワールド茨城県大洗水族館

常陸乃国いせ海老をブランド化しアンコウ鍋に並ぶ名産品としたい

 ドライブのメインイベントとなる夕食は、料亭旅館の大洗山口樓での鉄板焼きをいただく。今イチ押しのブランド品である「常陸乃国いせ海老」をはじめ、常陸牛のサーロインステーキ、そして常陸牛の脂で炒めたガーリックライスという、茨城の海の幸、山の幸を堪能できるコースが絶品だ。

大きな常陸乃国いせ海老とはまぐり、スズキが皿に並ぶ。海老、めっちゃくちゃ美味しいです
食事だけでなく宿泊も可能な料亭旅館の大洗山口樓

 メインディッシュのひとつである「常陸乃国いせ海老」について、山口樓代表取締役社長山口晃平さんに話を聞いた。山口さんはありがたいことに『ベストカー』の愛読者で、愛車はGRカローラというカーガイ。「茨城の食の魅力」について伺ったら、半分くらい好きなクルマの話題で盛り上がりました。

【姉妹記事】『おとなの週末Web』茨城産“海の幸”の新名物「常陸乃国いせ海老」を老舗料亭で堪能 体長約40cm!豪快な「いせ海老ごはん」は食べ応え満点

山口樓5代目の山口晃平さん

 山口さんによると、約2年前から茨城県で、カタの良い大きなイセエビがたくさん獲れるようになったとのこと(十数年前までイセエビは三重県沖が豊漁地だったが、温暖化の影響もあり漁猟水域が北上)。そこで、茨城でこのエビをブランド化して、広くお客さまに味わってもらいたい、良い食材としてご提案したいと思い立ったそう。そこでブランド化されたのが「常陸乃国いせ海老」だ。

「常陸乃国いせ海老」は、大きさが600g以上のものを指す。「常陸乃国いせ海老プレミアム」という商品もあり、こっちは1kg以上となるとのこと。小さいうちに採りすぎず、しっかり育てるのが美味しく食べるブランド化の要点だという。

 さっそく実食。う、うまい!!

夢中で食べる取材チーム。この取材、ガチで部内で希望者が殺到しました

 味の特徴は、身が大きくなるので食感が良く、甘みを感じるところ。サイズが大きいので海老の足にしっかりと身が詰まっており、カニのような楽しみ方もできる。もちろんみそも多く入っておりこちらも絶品。

プリプリとした身がつまっている常陸乃国いせ海老

「大洗というと冬はアンコウ鍋が有名なので、夏の風物詩として常陸乃国いせ海老をアピールしていきたいと思っています」(山口さん)とのことだった。

常陸牛のサーロインステーキ。見た瞬間、美味しそうすぎて鳥肌が立ちました。絹みたい!!

 御通しからはじまり、デザートのスイカまで、茨城産の野菜や魚介類そしてブランド品の常陸乃国いせ海老、常陸牛と茨城の自然の恵みを満喫することができた。たまらん。プライベートでも伺います。

【参考サイト】料亭旅館 大洗山口楼
【参考サイト】常陸乃国いせ海老

愛車GRカローラと山口さん。これでお弁当を配送しているそう。マジか。「カローラですから」とのこと。いや…たしかに…そうですが……マジか

 食事が終わって東京へ向かうと渋滞もなく約2時間で都心に到着した。この距離ならば日帰りのドライブに最適だし、もし旅先で疲れたら「今日は泊まっていこうか」とゆったり一泊も可能。その場合、(運転を担当するであろう)お父さんも夕食にビールが付けられるぞ。この夏~秋、気温も食事も最高な茨城で、新鮮な海産物で心もお腹も満たしてみてはいかがだろうか。

 なお今回のドライブのパートナーは三菱アウトランダーPHEV。日本で最も売れているPHEV(プラグインハイブリッド)で、満充電時のEV走行可能距離は約83kmを実現している。

 アウトランダーPHEVは5人乗りに加えて、3列7人乗り仕様も用意。野外で家庭用電気機器を使用できるアクセサリーコンセントも搭載されており、バーベキューやキャンプで大活躍できるスグレモノだ。今回のドライブは満タン満充電でスタートしたところ、往復282.3km走って平均燃費18.5km/L。…といっても往路はほとんどEV走行でまかなえてしまったので、ガソリンは2マスしか減っていなかった。リーズナブルすぎる。

取材終了時のメーター。282.3km走って2マスしかガソリンが減っていない。おそろしい燃料効率……

■一泊二日でいけるなら「いわき湯本」まで足を伸ばそう

 なお、「せっかく遠出したのだからもうちょっと遊びたい」、「急遽予定を伸ばして一泊二日の旅行にしたい」という皆さまのために、もうちょっとだけ足を伸ばしたプランも紹介したい。

 今回のドライブプランの目的地である「大洗」から常磐道を北上して約1時間半、いわき湯本ICのほど近くに湧く「いわき湯本温泉」がお薦め。

JR湯本駅を出てすぐ右手には源泉掛け流しのあし湯広場「愛湯物語」がある。24時間利用可能(無料)

 福島県内のほとんどの温泉地が山間部に位置しているのに対し、いわき湯本温泉は海が近い、いわき市にある。開湯は奈良時代まで遡るといわれ、「鶴の伝説の湯」としても知られており、傷ついた鶴が傷口をお湯で洗うと、元気に飛び立ったことが開湯のきっかけと言い伝えられている。

 湯本駅を中心に、湯宿が約20軒点在しており、そのうちのほとんどのお宿では日帰り入浴も楽しめる。とはいえ「一泊で」と決めたからには夕食に海鮮丼とビールを…と楽しみたいところ。

「泊まる」と決めたら素敵なお宿が満載のいわき湯本。たとえば湯本駅から徒歩7分「雨情の宿 新つた」の露天風呂「チクリ」は一度は体験したい

 いわき湯本温泉の泉質は弱アルカリ性の硫黄温泉。皮膚病、切り傷などに効能があるほか、美肌作用のある「美人の湯」、血圧を低下させる「心臓の湯」、保温効果が高い「熱の湯」など、さまざまな効能をみせる。お湯は無色透明で硫黄の香りが漂う。

 いわき市には「スパリゾートハワイアンズ」、「アクアマリンふくしま」、「いわき・ら・ら・ミュウ」、「白水阿弥陀堂(国宝)」、「いわき湯本 温泉神社」など観光スポットが山盛り。思わず長逗留したくなるくらい魅力的なので、ぜひ「次の日の予定」に余裕があるときに遊びに行きたい。

JR湯本駅から徒歩10分にある「温泉神社」。温泉で体を清め、神社で心を清めましょう

 帰りは常磐道を南下すれば2時間半で東京へ帰れる。近くて楽しい観光スポット、この夏のドライブ旅行は茨城~福島の太平洋沿岸ラインをぜひ狙ってみましょう。

【姉妹記事】『おとなの週末Web』茨城産“海の幸”の新名物「常陸乃国いせ海老」を老舗料亭で堪能 体長約40cm!豪快な「いせ海老ごはん」は食べ応え満点

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。