異常なほどの高値が続いていた中古車相場。コロナ禍による半導体不足で新車の生産が減り、中古車のニーズが上がったからだとも言われていたが、2024年6月の中古車相場がコロナ禍当時を上回ったという。中古車市場に何が起きているのか!?

※本稿は2024年8月のものです
文:角田伸幸/写真:ベストカー編集部、ダイハツ、トヨタ
初出:『ベストカー』2024年9月10日号

■コロナ禍の次はいったになにが?

人気車の生産停止や輸出市場の活況によって、日本の中古車はいまや空前の高値圏にある

 コロナ禍や半導体不足によって、異常な高値が続いていた中古車相場。クルマ好きはこの異常事態について「コロナ禍が落ち着けば一段落するだろう」と、はかない期待を抱いてきた。

 ところが今、信じられない事態が起きている。中古車相場が、コロナ禍当時を上回っているのだ。

 たとえば中古車オークションの大手事業者であるUSS。2023年暮れから中古車の平均落札相場が上がり始め、2024年6月に過去最高値である123万9000円を記録した。コロナ禍の最高値122万円を超えたのだ。

 なぜこんな事態が起きているのか。理由はふたつありそうだ。ひとつはコロナ禍と入れ違いに起きた一連の不正騒動。ロッキー/ライズやヤリスクロスといった人気車が生産を停止し、そのニーズが中古車相場全体を押し上げたという説。

 もうひとつは円安。海外の業者が割安な日本車に目を付け、多くの中古車が海を渡った。その結果国内のタマ数が減り、高騰につながっているという見立てだ。

 中古車相場が落ち着くのは、2025年になってからという見方が強い。中古車ファンにとっては、ガマンの時といえそうだ。

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