ジェイテクトは9月12日、自動車の操舵をつかさどる電動パワーステアリングの技術をベースに、ドローンの姿勢や速度を制御するシステム「フライトコントローラー」の開発に着手した、と発表した。
ジェイテクトは「JTEKT Group 2030 Vision」を掲げ、「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」を目指している。
ジェイテクトは、製品と製造設備に関する技術や知見を集約したテクノロジープラットフォーム(テクプラ)を活用し、社内や社会の課題解決を提案するソリューション共創センター(ソリセン)の開設を進めている。今回のドローン姿勢制御システムの開発は、ジェイテクトがソリューションプロバイダーへと飛躍するための先駆けとなるものだ。
少子高齢化や人口減少、インフラの老朽化などの社会課題がある中、ドローンを設備点検や貨物輸送に利用する動きが広がっている。このため、信頼性の高い国産ドローンのニーズが拡大している。ジェイテクトは2022年より、高耐熱リチウムイオンキャパシタLibuddyをドローンメーカー各社に提案してきた。
ジェイテクトは、自社の技術を活かし、ドローンの姿勢制御の信頼性を高めるフライトコントローラーを開発し、ドローンの性能向上を目指す。マルチローター型ドローンは、複数のプロペラのローター回転数を制御することで飛行している。この制御には高い応答性が求められる。ジェイテクトの電動パワーステアリングで培ったモーター制御技術や安全設計技術を活かし、高い応答性や姿勢安定性を実現するフライトコントローラーを開発した。
さらに、ジェイテクトの高耐熱リチウムイオンキャパシタLibuddyとの相乗効果により、高性能なドローンの姿勢制御を実現する。ジェイテクトは、ドローン関連のスタートアップ、プロドローンとの共創にて、継続的な飛行試験や各種要素試験を進めている。
今後、ジェイテクトはドローン業界および社会への貢献を目指し、フライトコントローラーの量産販売に向けた取り組みを進めていく。
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