マツダは2024年4月25日、同日開幕した「北京モーターショー2024」(第18回)で新型EVの「EZ-6」を世界初公開した。さっそくその内容を現地からレポートしよう!
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、マツダ
■マツダ6後継セダンがついに世界初公開!
すでにベストカーWebでもお伝えしていたが、2024年4月10日、長安マツダ(マツダと長安汽車の合弁企業)がベールをかぶったセダンと思しき1枚のティザー画像を公開していた。
この段階でもそのフォルムからわかるとおり、ミドルクラス以上のセダンであることをにおわせていた。折しも、日本ではマツダ6が2024年1月に販売終了をアナウンスしていた。
さらに2023年春の段階でマツダは中国市場での電動車ラインナップを拡充させていくことを発表しており、2024年末から長安汽車との共同開発による電動車を投入していくことを明言していた。
この両社の共同開発について、エクステリアデザインや走行性にかかわる部分はマツダ側が請け負う一方、電動化技術や自動運転などの分野については長安汽車側で進めるといった役割を分けて担当するのだという。
■マツダと長安汽車で得意分野を分担し、2024年末正式販売か?
こういった経緯もあり、今回の北京ショーで公開されたEZ-6はマツダの並々ならぬ注力が込められているのだろう。その証拠に同日のプレスカンファレンスにはマツダの日本社長としては久々に毛籠勝弘社長が海外モーターショー現地に駆け付けたのだ。
プレスカンファレンスの現場で、「マツダは巨大な中国市場における販売規模ではスモールプレーヤーですが、このマツダの独自価値を中国のお客様にしっかりと受け止めていただいていることは、大変うれしいことです。中国におけるマツダブランドの構築については、やはり初代の、通称“マーリュー(馬六)”の果たした役割は大変大きかったと思います。そのスポーティなデザインと走行性能、マツダのラッキーカラーである赤の外板色などで大人気となりました」と先代アテンザ(マツダ6)と中国とのかかわりを語った。
そのうえで「赤色のマーリューは、ここ中国の結婚式で新婦を迎えに行くクルマとして人気だったことなど、皆さまのご記憶にあるかと思います。やがて、商品ラインナップは、マツダ3やクロスオーバーSUVにも広がり、2017年には中国はマツダの中で最多販売国まで急成長を遂げました」と中国市場でマツダ6の持つ功績について続けた。
「この新型モデルは『EZ-6』です。赤いマーリューが与えたインパクトをもつようなクルマを、電動化の時代に再び提案したい。『EZ-6』は、マツダらしいスタイリングや人馬一体の走りを備えながら、長安汽車およびマツダの最新技術を搭載した電動専用モデルです。100%バッテリー駆動のBEVと、エンジンと組み合わせたPHEVの2種類の電動車を用意しており、お客様の嗜好やライフスタイルに合わせてお選びいただけます。この『EZ-6』を中国市場におけるマツダビジネスの新時代を切り開く、そのトップバッターとして今年中の発売を予定します」と毛籠社長は高らかにスピーチした
実際に公開されたEZ-6の外観デザインはセダンとはいいながらもリアエンドの処理などはファストバック風に仕上げられている。また、フロントマスクの形状とフロントグリルなどは2015年の東京モーターショーで公開された「RX-VISION」のエッセンスも取り入れられているような印象を受ける。
ところで、長安汽車には「深藍」ブランドで販売しているミディアムFRセダンの「SL03」というモデルがあるのだが、EZ-6はマツダ独自のデザインと足回りなどを与えられた事実上の兄弟車的な位置づけとなるようだ。
ちなみにパワートレーンは2種類の設定を予定しており、BEVとPHEV。欧州市場でも「マツダ6e」の名称で投入される計画があるようだ。残念ながら日本市場での販売は予定されていないという。
■SUVモデルのコンセプトは「マツダ創ARATA」!
すでにベストカーWebでお伝えしているが、実はこのEZ-6のSUV版モデルもすでに開発中で、それが今回ワールドプレミアされたコンセプトモデルの「MAZDA創ARATA」だ。
プレスカンファレンスで毛籠社長は世界初公開されたこのコンセプトモデルについても次のように言及している。
「この『創』という名前には、マツダが新時代を新たに創るという願いが込められています。モダンかつプレステージアスなスタイリングをもつこのクロスオーバーは、進取の気性に富んだ中国のお客様に向けたデザイン提案です。『EZ-6』と同様にBEVとPHEV、種類のパワーユニットを設定して、年中に中国に導入したいと考えています。私達は、これに加えて第3弾、第4弾の電動車を準備していく予定です。新たなマツダの新時代への飛躍を楽しみにしていてください」
こちらは市販時には「EZ-60」の車名で投入されることになりそう。マツダは今後、ますます中国市場での電動化路線を強化していくのは間違いない。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。