トランプ氏と言ったら化石燃料の増産を訴えているだけあり、現大統領のカーボンニュートラル政策とは真逆を行く政策を掲げている。もちろん電気自動車もノーなのだが、もしトランプ氏が再選したら困る日本の自動車メーカーもある。それは日産とホンダだ。その理由はなんなのだろうか?

※本稿は2024年8月のものです
文:国沢光宏/写真:ベストカー編集部、日産
初出:『ベストカー』2024年9月10日号

■「もしトラ」が国内自動車メーカーに与える影響

もしもトランプ氏が大統領に再選されたら、国内メーカー各社の電動化計画も変更を余儀なくされる。JMS2023で公開された日産のコンセプトカー群も実現が遅れるだろう

 私は次期大統領がトランプさんになると思っていない。おそらくハリスさんだろう。環境推進派のパワーって皆さん考えているより強い。ハリスさんになればバイデン大統領の路線を引き継ぐため、今までと同じスケジュールで電気自動車比率を上げていかなければならない。

 私の予想どおりにならずトランプ大統領となったら、公言しているとおり電気自動車の普及策を打ち切り、化石燃料の増産をすることだろう。その場合、電気自動車の普及は4年延びる。今と同じ状況が2028年まで続くと考えていい。

 2030年までにエンジン車廃止を決めているホンダは電気自動車の生産ラインを急遽組み直さなければならず(当然ながら2026年スタートのソニー・ホンダモビリティは暗礁に乗り上げる)、アメリカに電池工場を作り始めた日産なども、建設を凍結することになるだろう。

 逆に出遅れているスバルやマツダは4年間の余裕をもらいバンザイです。

 興味深いのがトヨタで、電気自動車プラットフォームのPHEVを開発している。トランプ大統領になったらPHEVを流せばいいし、ハリス大統領誕生なら電気自動車を流せばいい。

 どちらが大統領になっても、エンジン車→PHEV→電気自動車の変遷時期は読みにくい。臨機応変に対応できるようにしておくべきだと考えます。もっといえば、ホンダがガンコに「PHEVはやらない」と決めた理由がワカランです。

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