2024年9月13日に開幕した中国の重慶モーターサイクルショーでホンダが4気筒中型モデルの発売をアナウンスしたのは既報の通り。さらに販売戦略が明らかになったのでお知らせしよう。
文/市本行平 Webikeプラス4気筒中型モデルのシルエットはCBR400RとCBR500Rか
重慶モーターサイクルショーでホンダの二輪トップ・加藤稔氏が「四缸中排车型(4気筒中型モデル)」を開発していることをアナウンスした。その際のスピーチバックにはフルカウルモデルが映し出されていることから、スーパースポーツの発売を示唆しているだろう。
また、8月末には「CBR400R FOUR」という商標を日本で出願しており、新型「4気筒中型モデル」の名称と予想される。それを裏付けるようにシルエットは中国で発売されている2気筒のCBR400Rそのもので、区別するために「FOUR(フォア=4気筒)」を追加したと思われる。
さらに、新型「4気筒中型モデル」のシルエットは2車種あり、CBR400Rの下にはCBR500Rのシルエットも表示。中国では上級版として「CBR500R FOUR」もラインナップすることを意味しているだろう。これも現地のCBR500Rと区別する必要があるはずだ。
ホンダが、500ccの発売も示唆するのは2つの理由が考えられる。一つは、現地の4気筒ライバル車が450~500ccで発売されていること。もう一つはホンダが中国で500cc以上の販売店網を展開しているからだろう。なお、重慶では新しい販売戦略も明らかにされたので後述したい。
中型モデルの販売網は「Honda Dream」に
ホンダは、2023年12月に中国での大型二輪事業の強化のために「ホンダモーターサイクル上海」を設立した。さらに2024年8月には同社が300~500ccの中型モデルの販売や企画を主導することが発表され、中型モデルも中国で強力な販売体制が構築されることになっていた。
今回の重慶MCショーでは販売戦略についてのプレゼンテーションも行われ、2025年から五羊ホンダと新大州ホンダの中型車販売網をベースに「Honda Dream(ホンダドリーム)」を構築するという。これは、大型車を販売する「Honda DreamWing」を補う販売網になるだろう。
これに伴い中国での合弁会社である五羊ホンダと新大洲ホンダが、ホンダモーターサイクル上海に出資し、中大型ファンモデルの企画、生産、販売まで一貫した戦略で迅速に連携できる体制を確立。動きの早い中国メーカーにホンダとして対抗することができるはずだ。
そして、五羊ホンダと新大洲ホンダが並列4気筒モデルを現地生産すれば、価格競争で優位に働くのもメリット。すでに並列2気筒のCBR400RやCB400Fは現地生産されており、関税障壁の高い中国市場でも趣味モデルの普及を強化している。2025年にはこれがさらに加速するだろう。
重慶MCショーのテーマは「FUN燃动(燃焼)」
4気筒中型モデルの発売と販売戦略についてのプレゼンテーションを行ったホンダは、重慶MCショーに20台以上の主力車種を展示した。テーマは「FUN燃动(燃焼)」で、コミューターではなく趣味としてのバイクを強く訴求するものとしていた。
2024年の主力はE-クラッチを搭載した新型CBR650RとCB650Rで、価格は8万2800元(約160万円)と7万6800元(約150万円)と発表された。日本よりも高額になるが、今後はE-クラッチも含めて現地調達部品を拡大して大型モデルの現地生産化にも取り組むという。
また、中型モデルの目玉としてはADV350を中国で初出品しており、先述の「Honda Dream」店での主力商品として現地生産すると思われる。ホンダの中国での二輪事業は、日米欧などの先進国と同じように「FUN燃动(燃焼)」に向けて新たなスタート切っているのだ。
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https://news.webike.net/motorcycle/405758/
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