CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関のJ.D. Powerは、「J.D. Power 2024 U.S. Electric Vehicle Experience (EVX) Public Charging Study」の結果を発表した。

この調査は「AC普通充電(レベル2)」と「DC急速充電」の2タイプの公共充電サービスに対する米国のEV所有者の満足度を聴取したものだ。

公共充電インフラの問題が米国でのEV普及を停滞させている原因の一つと言われている。今年の調査では四半期連続で総合満足度が向上している結果となった。未だ公共充電インフラには多くの課題が残っているが、改善の兆しも見えてきている。

DC急速充電の顧客満足度は、前年比プラス10ポイントの664ポイント(1000ポイント満点)だった。一方、AC普通充電の顧客満足度は前年比マイナス3ポイントの614ポイントだった。DC急速充電の満足度向上の一因として、テスラ以外のEV所有者がテスラの「スーパーチャージャー」(NACS)を利用できるようになったことが挙げられる。

テスラの急速充電設備 スーパーチャージャー

テスラの所有者もそれ以外のEV所有者も、全般的にNACSでの充電に対する満足度が高かった。フォードやリヴィアンなど、NACSを利用できるようになったテスラ以外のブランドの所有者は、これまで利用できなかったNACSで充電できるようになったことを高く評価している。

テスラの所有者のNACSへの満足度は前年比マイナス2ポイントの743ポイントで高い満足度を示し続けている。対して、テスラ以外の所有者のNACSへの満足度は706ポイントとテスラ所有者よりも低いものの、DC急速充電の全体満足度よりも42ポイント高い満足度を示している。

充電器のタイプによって異なる「充電速度」の満足度では、AC普通充電(レベル2)の充電速度に対する満足度は前年比マイナス4ポイントの451ポイントとなった。一方、DC急速充電の充電速度への満足度は前年比プラス34ポイントの622ポイントとなった。

EV所有者は自動決済システムに高い満足度を示している。Plug&Charge機能などの自動決済システムは、「支払いのしやすさ」に対する満足度スコアが886ポイント、「充電のしやすさ」に対する満足度スコアが806ポイントだった。

一方、EV所有者の19%が充電ステーションを訪れたが充電を断念したと回答している。充電を断念した理由の多くは「充電設備が故障中」もしくは「不具合があった」というものだった。

テスラのスーパーチャージャー(NACS)が他のメーカーへ開放されたことにより、DC急速充電の全体の満足度は昨年と比べ改善されている。

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