今高級車を買うなら何を選ぶだろう。SUVを選ぶ人も少なくないのではないか。そんな都市型プレミアムSUVの市場を切り開いたのがトヨタハリアー』だ。4代目となる現行モデルでもその高級感は失われずに残り、たくさんの人を魅了している。

そんな中、マツダが対抗として出したのが『CX-60』だ。海外も睨んで作られたシャシーは高速域での安定感に定評があり、ドイツやアメリカの競合を意識した3.3Lのディーゼルエンジンは高い評価を受けている。

2車種のスペックを比較し、性格の違いを見てみよう。今回はトヨタ「ハリアー Z ハイブリッド E-Four」とマツダ「CX-60 XD ハイブリッド プレミアムスポーツ」を比較した。

◆外寸比較

CX-60
全長:4740mm
全幅:1890mm
全高:1685mm
ホイールベース:2870mm
最小旋回半径:5.4m

マツダ CX-60 XD ハイブリッド (プレミアムスポーツ)

・ハリアー
全長:4740mm
全幅:1855mm
全高:1660mm
ホイールベース:2690mm
最小旋回半径:5.7m

トヨタ ハリアー Z E-Four

外寸を見るとほとんど差が無いことがわかる。全長は同じ値で、全幅、全高がそれぞれ35mm、25mm、CX-60の方が大きいが、実用上でその差が気になることはまずないだろう。写真では一見「CX-60」の方が大きく見えるが、実際のサイズの差ではなく、角ばったボディや力強いボディラインなどのデザインによる影響だろう。意外なのは、ホイールベースが100mm以上長いハリアーの方が最小回転半径が0.3mも大きいことだ。ボディサイズの大きい2車種だけに小回りの良さは見逃せない。

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◆エンジンスペック

・CX-60
原動機型式:T3-VPTH
種類:直列6気筒
総排気量:3283cc
エンジン最高出力:187kW(254PS)/3750rpm
エンジン最大トルク:550Nm(56.1kgfm)/1500-2400rpm
モーター最高出力:12kW(16.3PS)/900rpm
モーター最大トルク:153Nm(15.6kgfm)/200rpm

マツダ CX-60 XD ハイブリッド(プレミアムスポーツ)

・ハリアー
原動機型式:A25A-FXS
種類:直列4気筒
総排気量:2487cc
エンジン最高出力:131kW(178PS)/5700rpm
エンジン最大トルク:221Nm(22.5kgfm)/3600-5200rpm
フロントモーター最高出力:88kW(120PS)
フロントモーター最大トルク:202Nm(20.6kgfm)
リアモーター最高出力:40kW(54PS)
リアモーター最大トルク:121Nm(12.3kgfm)

トヨタ ハリアー Z E-Four

エンジンスペックではハリアーが健闘しているといえる。CX-60の3.3Lディーゼルターボという圧倒的なトルクに対して、前後2つのモーターで頑張っているといえるだろう。ただ、やはり100Nmの差は大きいため、CX-60の方がより余裕のある走りができると思われる。ただ、補足しておきたいのは、どちらも不満など感じることのない程度のパワーはあるという事だ。

また、どちらも4WDの為多少の雪程度では問題なく走れると思われるが、一点だけ4WDシステムについて注意したい。それはハリアーはE-Fourというシステムを使用しプロペラシャフトでエンジンのパワーを後輪まで伝達していない点だ。E-Fourではリアの駆動をモーターのみで行うため、プロペラシャフトを備える従来型の四駆に対して後輪のトルクが不足し、スタックしやすいという欠点がある。

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◆燃費

・CX-60
WLTCモード:21.0km/L
市街地モード:18.0km/L

マツダ CX-60 XD ハイブリッド(プレミアムスポーツ)

・ハリアー
WLTCモード:21.6km/L
市街地モード:18.9km/L

トヨタ ハリアー Z E-Four

燃費ではCX-60が健闘しているといえる。もちろん、ハイブリットが得意なトヨタかつ小さなエンジンという事で、数値自体はハリアーの方が良いのだが、エンジンのサイズや200kg重い重量などを加味するとそこまで大きな差ではないことがわかる。加えてCX-60は軽油を使用するため、燃料価格の差を考えればランニングコストではむしろCX-60の方が安いのかもしれない。

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◆価格

・CX-60
567万500円~

マツダ CX-60 XD ハイブリッド(プレミアムスポーツ)

・ハリアー
484万8000円~

トヨタ ハリアー Z E-Four

価格面での比較ではハリアーに軍配が上がる結果となった。ただし、グレードによっては逆の結果となる為、欲しい装備をしっかり確認してほしい。

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