9月10日〜13日に都内で開催された国際物流総合展2024。冷凍車大手のトプレックは5台の冷凍車を出品した。先日の先行記事では普通免許で運転できるエルフミオベースの冷凍車を紹介したので、今回はそのほかの4台をまとめて紹介しよう。

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部

従来の4トン冷凍車の2倍の積載量を誇る日野レンジャーGCベースの中型冷凍車

日野レンジャーGCベースの中型冷凍車

 日野自動車の中型トラック「日野レンジャー」のGVW11トン未満車型「GC」をベースとする中型増トン冷凍車。

 現行中型免許で運転可能なGVW11トン未満車型に、従来の4トン車と同等サイズのボディを搭載することで、4トン車同等の使い勝手と、4トン車の2倍の積載量を実現。荷室内寸は内法長6345mm×内法幅2100mm×内法高1955mmで、最大積載量は5000kgだ。

 冷凍機は直結式のXVシリーズで、庫内乾燥モードが備わる。同モードはヒートポンプ式加温装置により庫内を加温/除湿することで輸送後に庫内を素早く乾燥させる機能。

 冷凍車は冷凍冷蔵輸送後に庫内に結露が発生するため、ドアを開けて乾燥させる必要がある。乾燥時間は大型冷凍車で約半日というが、同モードを使えば2〜3時間で乾燥可能で、ドライバーの待機時間削減や車両稼働率アップに寄与。ドアを閉めたまま乾燥できるため衛生的なのもメリットだ。

 後部格納式テールゲートリフターは新明和工業製で、オプションの「スマートセフティステップ」を搭載。テールゲートリフターを荷室乗降用のステップとしても使えるもので、ドライバーの負担軽減や安全性アップに寄与するという。

◇主要スペック
装置型式:XV36LSDHBB(スタンバイ装置、ヒートポンプ加温乾燥モード付)
庫内設定温度:前室マイナス20〜プラス20度、後室マイナス5〜プラス20度
コンテナ外寸法:長さ6600×幅2290×高さ2250mm
有効内寸法:長さ6345×幅2100×高さ1955mm
断熱厚:フロント/ルーフ/フロア100mm、サイド/リア75mm
パネル材質:外板、内板アルミ
車両総重量:10970kg
最大積載量:5000kg
架装シャシー:2KG-GC2AKBA-DMABAAB

パレット横移動エアロールを搭載する新型スーパーグレートベースの大型冷凍車

三菱ふそう新型スーパーグレートFUベースの大型冷凍車

 昨年10月に発売された三菱ふそうの大型トラック、新型「スーパーグレート」のGVW25トン級後2軸6×2車型「FU」をベースとする大型冷凍車。

 フルサイズの断熱ボディにクラス最大能力を誇る直結式冷凍機XVシリーズを組み合わせ、マイナス25〜プラス20度までをカバー。庫内乾燥モードや、庫内水洗い乾燥後に自動で予冷を行なうスタンバイタイマー機能も備わる。

 庫内後部には、日軽金アクト製「パレット横移動エアロール」を搭載する。

 同装置は、エア昇降式のローラーでパレットを横移動させることができるもの。フォークリフトでパレットを積む際、ドッグシェルターが小さくて真ん中にしか置けない場合でも、手で押して左右に積み分けることができるというもので、前後移動は通常のジョロダーレールを使う。

◇主要スペック
装置型式:XV92LSEHB0(スタンバイ装置、ヒートポンプ加温乾燥モード付)
庫内設定温度:マイナス25〜プラス20度
コンテナ外寸法:長さ9570×幅2470×高さ2660mm
有効内寸法:長さ9285×幅2290×高さ2310mm
断熱厚:フロント/ルーフ/フロア/リア100mm、サイド75mm
パネル材質:内板/外板アルミ(ルーフのみFRP)
車両総重量:24930kg
最大積載量:12900kg
架装シャシー:2PG-FU85HUZ2

電動式冷凍機を搭載するエルフEVベースの小型EV冷凍車

エルフEVベースの小型EV冷凍車

 いすゞ新型エルフNPRのGVW7.5トン級バッテリーEVモデルがベースの小型EV冷凍車。冷凍機はEVの駆動用バッテリーから電力供給を受けて駆動する電動式モデルGVシリーズの2エバ仕様で、スタンバイ装置と庫内乾燥モードを搭載。

 スタンバイ機能は車両充電中であっても外部電源で冷凍機のみを動かすことができる2WAY方式を採用する。

◇主要スペック
装置型式:GV24LEDHBB(スタンバイ機能、ヒートポンプ加温乾燥モード付)
庫内設定温度:前室/後室マイナス5〜プラス20度
コンテナ外寸法:長さ4700×幅2160×高さ2250mm
有効内寸法:長さ4500×幅1980×高さ1980mm
断熱厚:フロア100mm、フロント/ルーフ/サイド/リア75mm
パネル材質:外板/内板FRP
車両総重量:7455kg
最大積載量:2650kg
架装シャシー:ZAB-NPR48AM-HJ5AYS-EV

CJPTの小型FCEVトラックベースの小型FCEV冷凍車

CJPTの小型FCEVトラックベースの小型FCEV冷凍車

 トヨタ、いすゞ、日野などが参画するCJPTが開発した小型水素燃料電池トラックをベースとする小型FCEV冷凍車。福島県や東京都で実証試験を行なっている車両だ。

 小型FCEVトラックはいすゞエルフNPRのシャシーがベースで、燃料電池ユニットや水素タンクはトヨタ製、駆動用バッテリーユニットは日野製を搭載する。

 冷凍機は電動式のGVシリーズで、スタンバイ機能と庫内乾燥モードを搭載。基本的なシステム構成は先に紹介したバッテリーEV冷凍車のものがベースという。

◇主要スペック
装置型式:GV32LFCHB0(スタンバイ機能、ヒートポンプ加温乾燥モード付)
庫内設定温度:0〜プラス20度
コンテナ外寸法:長さ4400×幅2180×高さ2100mm
有効内寸法:長さ4240×幅1960×高さ1885mm
断熱厚:フロント/ルーフ/フロア/リア50mm、サイド100mm
パネル材質:外板/内板FRP
車両総重量:7085kg
最大積載量:2950kg
架装シャシー:2RG-NPR88AN-HZ5AY-FCV

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