1980年代から90年代にかけて人気を誇ったカローラのハッチバックモデル「FX」。すっかり過去の思い出だと思っていたら、なんと復活を遂げたぜ! その全貌をお伝えしよう!

文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ自動車

■ツーリングカーレースも戦った硬派な1台

1987年に登場した2代目カローラFX

 1980年に発売されたマツダの5代目ファミリア(初のFFモデル)は、日本に空前のハッチバックブームを巻き起こした。このブームに乗ろうと各社がさまざまなハッチバックを投入したが、トヨタが若者をターゲットにしたハッチバックモデルが、「カローラFX」だった。

 FXが登場したのは1984年のこと。「2BOX上級生」というキャッチコピーで、最上級モデルの「GT」は、日本で初めてDOHCエンジンを積んだ2ボックスだった。

 そのエンジンは1.6Lの4A-GELU型。全日本ツーリングカー選手権にも参戦し、シビックとデッドヒートを繰り広げたことは、カローラFXの名前を有名にした。

 1987年には2代目FXが登場する。カローラレビンにバトンを渡したためレース参戦こそなくなったが、1.5Lと1.6Lには全グレードでDOHC16バルブエンジンを搭載するなど、カローラらしからぬ硬派っぷりを見せた。

 さらに1992年には3代目FXが登場。よりスポーティさに磨きをかけて、国内市場では5ドアを廃し、なんと3ドアのみをラインナップするという攻めっぷりだった。

「GTスーパーストラット」というグレードが設定され、こちらにはAE101型レビン/トレノと同じ5バルブの4A-GEエンジンにスーパーストラットサスペンション+スポーツABSを搭載。地味目なハッチバックとは思えない速さを誇った。

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■専用リアスポイラーやローダウンサスで武装した現代版FX

2025年モデルとして誕生した北米カローラ「FXスペシャルエディション」

 というわけで、カローラファミリーの中ではとびきり硬派な存在だったFXだが、なんと現代にも存在した。それが北米カローラの2025年モデルに設定された「FXスペシャルエディション」だ。

 このFXスペシャルエディション、カローラセダンのSEグレードをベースにした特別仕様で、専用のリアスポイラーとローダウンスプリング、18インチアルミホイールなどがおごられる。ルーフやバッジ、ドアミラー、テールランプなどにブラックのアクセントが施される点もポイントだ。

 内装ではオレンジ色のステッチが入ったスポーツファブリックシートが専用装備。10.5インチのマルチメディアスクリーンも標準となる。

 いっぽうエンジンなどは特別スペシャルではなく、他グレードと同じ2LダイナミックフォースDOHCエンジンとなる。パワーは169psでトランスミッションはCVTだ。

 なかなか魅力的な「現代版FX」。価格はベースとなるSEよりも1885ドル高い2万6500ドル(およそ384万円)となる。かつてのFXのようなとんがった速さがない点は残念だが、日本に導入されたら、乗ってみたい1台だ。

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