国土交通省は9月17日、「ダブル連結トラック」の対象路線の拡大を発表した。

 同対象路線は2022年11月に、従来の2050kmから5140kmに延長し、東北・北陸・四国・九州まで通行できるようになった。

 今回これをさらに拡大させ、北海道などを含めて6330kmへ延長する。

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部、図/国土交通省

対象路線の拡大と駐車マスの拡充

今回拡充されたダブル連結トラックの通行区間(近畿圏・首都圏の詳細はギャラリーで確認できます)

 このほど国土交通省は、高まる物流事業者のニーズ等を踏まえ、ダブル連結トラックで指定される通行区間の拡大を行なった。

 「ダブル連結トラックの通行区間」とは、高速道路を中心とする運行が認められている同車両にに関して、国土交通省が安全性を考慮し通行を指定した高速道路・バイパス等の主要道路区間のこと。(一般道の通行においては道路管理者へ事前許可申請のもと、最寄りのICから必要最小限の距離で認められている)

 これにより北海道、首都高速、阪神高速での通行区間が初めて追加されたほか、災害時の迂回路となる上信越道、北陸道、中国道等でも拡充が行なわれた。

 また、拡充する通行区間において、全国12カ所の休憩施設等で「ダブル連結トラック優先駐車マス」の整備も予定し、一般的な駐車場では停めることが困難である長大フルトレーラの連続運転時間(改善基準告示で4時間で30分の休憩が定められている)への配慮も行なう。

令和元年6月には14台だったダブル連結トラックの許可台数は、令和5年6月時点で約19倍となる270台に。需要拡大とともにインフラの整備も急がれる

あらためてダブル連結トラックとは?

 ご存知のようにダブル連結トラックとは、荷台の備わる大型トラック(牽引車)でトレーラ(被牽引車)を引くフルトレーラのうち、連結した状態の全長が21m超〜25m未満の車両のこと。

 2019年1月にバン型フルトレーラの特車両通行許可に関する車両長の基準が緩和されたことで、我が国において最長となる連結全長最大25mのダブル連結トラックの本格的な運行が始まった。 

 同車は、全長12m未満の一般的な大型トラックの倍ほど長く、1編成で大型2台ぶんの輸送量が確保できることから、ダブル連結トラックと命名されている。(山口県・宇部興産のセメント工場で走る「ダブルストレーラ」と似ているが、同車はセミトラクタでトレーラ2台を牽引する別物)

 また、2021年8月にダブル連結トラックの高さに関する規制緩和も行なわれ、現在は、国内最大となる全高4.1m×連結全長25mの車両の運用も始まっている。こちらは2台ぶんどころか、1編成で大型トラック3台分の輸送量を担うことができる。

ネクストロジスティクスジャパンの保有する全高4.1m×連結全長25mのダブル連結トラック

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