カーオーディオでは、「サウンドチューニング」が上手く決まるか否かで最終的なサウンドクオリティが変化する。なおその操作はプロに任せた方が確実だが、自分でやっても楽しめる。当連載ではそれを推奨し、設定法をレクチャーしている。

さて前々回からは、ツイーターとミッドウーファー間の「クロスオーバー」の設定法の解説をスタートさせた。で、まずはツイーターの再生能力の限界を見極める必要があることを説明した。

今回は、その実際の操作方法を紹介していく。手順は以下のとおりだ。最初に使用しているスピーカーのカタログを見て、付属の「パッシブクロスオーバーネットワーク」の「カットオフ周波数(ツイーターの再生範囲の下限)」の値を確認しよう。その値が、設計段階でのそのスピーカーのベストな「カットオフ周波数」の値であるわけなので、それがどのくらいなのかをまずは頭に入れておきたい。

その上で、「カットオフ周波数」をそれよりかなり上めに設定する。なお「スロープ」については取り敢えず仮で、「マイナス12dB/oct」か「マイナス18dB/oct」に設定しておこう。

続いてはミッドウーファーの音をミュート(消音)して、「カットオフ周波数」の値を徐々に下げていく。そうして音が濁ってくるポイントを探ろう。

なお、音が濁ってくるとうるさく感じてくるはずだ。そのような不快感を覚えるようになってきたら、限界点を超えていると判断できる。

ところで前回の記事でも触れたとおり、ツイーターの「カットオフ周波数」を下げすぎて中音の信号を多く入れすぎると、ツイーターを破損しかねない。なので最初に確認した付属の「パッシブクロスオーバーネットワーク」の値を超してきたら注意をしよう。そこからは大きく下げすぎない方が賢明だ。

ということで大きく下げ過ぎない範囲で、ツイーターの音が濁り始めるポイントを探ろう。そうしてそこがどのあたりなのかを見極められたら、その少し上のポイントをツイーターの「カットオフ周波数」として設定しよう。

そしてその次にはミッドウーファーの音も出し、ミッドウーファーの「カットオフ周波数(ミッドウーファーの高域側の再生範囲の上限)」を仮設定する。その値は、取り敢えずツイーターの「カットオフ周波数」と同一でOKだ。

ここまでできたら次は「位相」を設定するのだが、そのやり方は次回の記事にて説明する。お読み逃しのなきように。

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