自動車部品メーカーの豊田合成は10月29日、鹿革を活用するハンドメイドブランド「kagaribi」とコラボレーションし、エシカルな巾着を開発した、と発表した。この商品は、豊田合成のエシカルブランド「Re-S(リーズ)」から発売される。
この製品は、エアバッグ製造過程で発生する廃棄予定の生地と、害獣駆除で得られる鹿革を組み合わせて作られている。通常は捨てられてしまう素材に新たな価値を見出し、廃棄物削減と地域課題解決を目指す取り組みだ。
エアバッグ生地は、乗員の命を守るための高度な技術が詰まった強靭な素材である。一方、鹿革には伝統的な藍染めが施されている。これらの異なる特性を持つ素材を組み合わせることで、唯一無二のアイテムが誕生した。
開発過程では、Re-S担当者とkagaribiが離れた場所で互いにサンプルを作り、試行錯誤を重ねた。エアバッグ生地のモダンな質感と、鹿革の個性的な形状を生かしつつ、現代的なデザインに仕上げている。
完成した巾着は、日常使いからちょっとしたお出かけ、夏の浴衣姿まで幅広く使える。手提げとしても肩掛けとしても使用可能で、パラシュート用のパラコードを使用するなど、細部にもこだわりが見られる。
豊田合成とハンドメイドブランド「kagaribi」がコラボレーションしたエシカルな巾着豊田合成は、トヨタグループに属する自動車部品メーカーで、エアバッグシステムを主力商品の一つとしている。同社は1989年から360度フルカバーエアバッグを実現し、交通事故の社会問題解決に貢献してきた。
近年は、SDGs経営にも注力しており、Re-Sブランドを通じて廃材の有効活用に取り組んでいる。今回のコラボレーション商品は、そうした持続可能な社会を目指す活動の一環として位置付けられる。
この巾着は、エシカルな素材を使用しているだけでなく、ストーリー性のあるプレゼントとしても活用できる。自動車産業の先端技術と伝統工芸の技が融合した、新しい価値を持つアイテムとなる。
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