一口にターボと言っても色々ある。もちろん「ターボだったらなんでも最高!」という最高にロックな思想を持っている方も多いと思う。しかし、世の中にはパワーでゴリ押しするタイプや少ないパワーをターボが補っていたりするなど、その種類は多岐に渡るのだ。
※本稿は2024年9月のものです
文:斎藤 聡/写真:ホンダ、トヨタ、日産、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年10月26日号
■ターボが生み出すパワーをどう使っているか?
何をもってターボらしいと定義するかで挙がってくるクルマが変わってくる。
圧倒的な速さを求めるならGT-Rだろう。ハイパワーターボの感覚を味わうなんて悠長なことを言う暇もなく、なんだかよくわからない暴力的な加速に巻き込まれる感じ。これは別格で凄いけれど価格も別格。
それ以外でも、案外ターボ車は生き残っている。そのなかで、少ないパワー(トルク)をターボで補うタイプがほぼ9割。
刺激的なターボにもさまざまあって、レクサスGX550/ランクル300は圧倒的なトルクによる迫力で、ターボの威力を見せつけるタイプ。
中速域のトルクの太さと高回転域の伸びのよさを見せてくれる、昔ながらのターボの楽しさを体現しているのがレクサスRC350、GRスープラ、フェアレディZといったFR群。後輪駆動+ハイパワーターボには、危うさをはらんだ刺激も加味されているのでより刺激的。
しかし、今最もターボを速さに使っているのはGRヤリスとシビックタイプRだろう。GRヤリスはラリーシーンでの活躍を見てのとおり、かつてのランエボやWRXを彷彿とさせるコンペティティブな速さを求めたターボ。
シビックタイプRもニュルブルクリンクFF最速の座を賭けてルノーメガーヌR.S.や、ゴルフGTIと三つ巴の戦いを繰り広げている。
単にエンジンのパワーを高めたりトルクを太くするだけでは、FFでは速く走ることができない。NAエンジンのようなレスポンスのよさと、分厚いターボのトルク、そして高回転域の伸び。
ここに挙げたターボ車はどれもターボで速さや刺激を引き出しているが、今現在ターボの性能をあらゆる点で速さに使っているのはシビックタイプRだろう。
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