かつての日産はセダンのラインアップが充実していた。そんななか、非常に手が出しやすい価格帯で中古車市場に出回っているのが初代フーガ。大排気量モデルが100万以下で買えるなんて、とてもおいしい話ではありませんか!?

文:小鮒康一/写真:NISSAN

■セドグロの魂を受け継いだ偉大なセダン

40年以上続いたセドリック&グロリアの後継モデルとして2004年に登場。型式はセドグロ同様に「Y」が採用された

 日産の新世代の上級セダンとして2004年に初代モデルが登場したフーガ。それまで長らく日産を代表する高級セダンとして君臨し続けてきたセドリック/グロリアの後継車種としてリリースされたモデルとなっている。

 残念ながらフーガ自体は2代目モデルが2022年8月いっぱいで生産終了となり、セダン需要の縮小をまざまざと感じさせる結果となってしまった。だが、代を重ねるごとに高年齢化がネックとなっていたセドグロのユーザー層を、一時的にでも若返らせることができた功績は評価したいところだ。

 そんなフーガも今年でデビューから20年。すっかり中古車として見かける機会が減ってしまってきてはいるが、イマ初代フーガを狙うならどのグレードがオススメとなるのだろうか?

 セドグロの後継車種として登場したフーガは、当初ラグジュアリーなテイストを持った「XV」系と、スポーティなテイストを持った「GT」系の2系統に分けられており、前者がセドリック、後者がグロリアのユーザー層をカバーしていた。

 しかしデビュー後は、欧州プレミアムセダンにも対抗できる新世代のスポーティラグジュアリーセダンとしての評価が高まったこともあってか、XV系は消滅してGT系のみとなっていった。

 そんなフーガに搭載されたエンジンは全てV型で、2.5Lと3.5LがV6、そして遅れて追加された4.5LがV8となっていたのだが、今わざわざ初代フーガを狙うのであれば、やはり推したいのはV8 4.5Lエンジンを搭載した「450GT」だろう。

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■モータースポーツ譲りのエンジンフィールに釘付け

450GTが積むVK45DEは、SUPER GTのマシンが搭載するエンジンのベースにもなった名機だ

 450GTに搭載された4.5L V8エンジンは、VK45DE型と呼ばれるもので、すでにシーマやプレジデントに搭載実績のあるものだったが、フーガ用は専用のチューンなどによって333PSを発生している(シーマなどは280PS)。 

 実は海外仕様のシーマ(現地ではインフィニティQ45)は340PSを発生していたのだが、フーガにおいては最高出力よりもレスポンスと伸び感を重視。その結果333PSとなったということで、並々ならぬこだわりを感じ取ることができるだろう。

 またこのVK45DE型エンジンはSUPER GT車両のベースエンジンにもなっている。モータースポーツでの使用実績が多いというのも、マニア心をくすぐるポイントだ。

 そして何より、今後は絶滅の一途を辿るであろう大排気量のV8エンジンを搭載したモデルが、トータル100万円程度の予算で狙うことができるというのが最大の魅力。個人的には、死ぬまでに1度は所有してみたい車両の筆頭となっている。

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