中京から九州各地へ夜行バスが走り出し長崎県は、長崎に次いで県内二番目の都市、佐世保への路線がコーラルカラーで佐賀県、そして長崎県佐世保、ハウステンボスへと結ぶのがコーラルエキスプレス西海路号だ。
●西海路(コーラルエキスプレス)名古屋〜佐世保・ハウステンボス
運行会社:西肥自動車
相手会社:名古屋鉄道(名鉄バス)
乗車・撮影:2001年10月
(記事の内容は、2024年1月現在のものです)
執筆・写真/石川正臣
※2024年1月発売《バスマガジンvol.123》『思い出の長距離バス』より
■力強い意気込みで夜行で本州へ。名古屋では愛称も変更に
長崎県第二の都市佐世保市、ここを中心に県内北部を一社で運行する西肥自動車(西肥バス)。銀色に青、そして赤のポイントが入ったカラーは地元でも根付いていた。
高速道路がない時代から長崎、福岡へと長距離路線を運行してきた。九州内、関西そして中京からの夜行路線が増え続ける中、ここ佐世保にも開業の運びとなり、西肥バスでは車体デザインも新たに、愛称はコーラルエキスプレスとなった。
モデルを使ったパンフレットなど意気込みも受け止められた。まずは大阪へ、そして次は名古屋へ。名古屋便は路線愛称も西海路と命名された。
夜の名古屋駅に降り立つ。大阪に比べて静かなのは関西より規模が小さいばかりでなく、中心地から少し外れているからだろう。
エスカレーターで上れば、名鉄バスセンターから帰宅する会社員を乗せては発車して行く多くのバス、その中から九州行き夜行バスが発車する。
時間となれば、バスセンターを下りて地上へ下りて名古屋市内を北へ。30分ほどして一宮インターから高速入りし22時に消灯。その後5カ所で乗務員交代があり、いずれもトランク隣の外側から5分以内の短時間で出入り交代し、九州西の奥地までの目的地までを急ぐ。
今まで九州方面は、濃霧も多い中国自動車道を走行していたが、山陽自動車道が開業してからは道路条件の良さそうなこちらを使っているが、濃霧は相変わらず多い。
■佐世保バスセンターに到着。続くハウステンボスで終点!!
多久、武雄温泉、有田高校、早岐田子の浦に停車して、少しずつ乗客は降車していく。佐世保市内に入ると、黄色い看板が目を引くファミリーレストラン「ジョイフル」が車窓から何度か確認できる。
東日本では珍しいが九州に本部があるチェーン店だ。九州、特に佐世保近辺ではいたるところに点在する。そしてジャパネットたかた本社を右に見て市内中心部へ。あのテレビでも有名な通販企業の本社がここか!! と感じた。
佐世保バスセンターでほとんどの乗客が降車し、市内中心部を外れると瀟洒な建物が並ぶテーマパークが出迎えてくれる。終点のハウステンボスに到着だ。
1992年にオープンしたハウステンボスは、同社長距離バスの多くが佐世保発着から延長、または新規開業し利用者が一段と増えた。
しかし時代の流れの中で名古屋便、続いて大阪便も取りやめとなった。しかし佐世保に大阪の有名な南海の高速バス、サザンクロス。そして名古屋からも赤い名鉄バスがやって来るようになり、佐世保市内の高速バスイメージはすっかり一新された。
その後コーラルエキスプレスのカラーは福岡便などにも使われ、夜行バスの華やかなりし名残が今も続いている。
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