1990年代前半、日本のクルマが急速に進化する中、魅力的なオープンモデルが相次いで登場した。その中でも衝撃だったのがNAロードスターだ。とにかくかわいい見た目に反してキビっとした動きは多くの人々を虜にしたであろう。デートもモータースポーツもこなせ、乗る人によって姿が異なる変幻自在なこのカメレオンカーをなんとあの土屋圭市氏がレポートした!!

※本稿は2024年9月のものです
文:ベストカー編集部/写真:大西靖、マツダ
初出:『ベストカー』2024年10月26日号

■「古さを全然感じさせないよ!」

「車体が軽いから軽やかに走るでしょ? 山道をギンギンに走ろうって気にさせないのがまたいいんだよね!」と土屋さん。山道をギンギンに走っていた人にそう言わしめるのがロードスターの魅力だ

 マツダ ロードスターは初代、NA型デビュー時は「ユーノス」ブランドのモデルとして登場した。

 1980年代後半から1990年頃にかけては、急成長する経済を背景に、まさにイケイケドンドンで拡大戦略を突き進む時代だった。

 1989年にはフェアレディZがZ32型となり、スカイラインがR32型となりGT-Rが復活。トヨタからはセルシオが登場し、日産はインフィニティQ45を送り込んだ。

 翌1990年には三菱 GTOが世に放たれ、ホンダはあの初代NSXを世に送り込んだ。3ローターエンジンを搭載したユーノス・コスモがデビューしたのも1990年だ。

 「ロードスターって優しいクルマだよね。ハンドリングもエンジンパワーも乗り心地も、クルマ全体が適度に緩くって、屋根を開けて入ってくる風も室内に巻き込むことがないから心地いい。

 車体が軽いからヒラリヒラリ軽やかに走るでしょ? 目を吊り上げて山道をギンギンに走ろうって気にさせないのがまたいいんだよね。うん、優しい!」。

 風を受けてドライブする土屋さんの表情が緩む。

 「コンディションバツグンだね! 新車時代と変わらないんじゃない? 今のND型ロードスターにも通じるDNAを実感する。ロードスターのコンセプトは、この初代で完成していたんだね」と、納得のドリキンだった。

●主要諸元
・全長:3970mm
・全幅:1675mm
・全高:1235mm
・ホイールベース:2265mm
・最小回転半径:4.6m
・車両重量:950kg
・エンジン:直列4気筒DOHC
・総排気量:1597cc
・最高出力:120ps/6500rpm
・最大トルク:14.0kgm/5500rpm
・トランスミッション:5速MT
・10モード燃費:12.2km/L
・Fサスペンション:ダブルウィッシュボーン
・Rサスペンション:ダブルウィッシュボーン
・タイヤサイズ:185/60R14
・車両価格(当時):212万2000円

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