世界最大の自動車市場である中国で、電気自動車(EV)の投入遅れなどから日系メーカー各社が苦戦を強いられている中、広東省広州市では「広州国際汽車展覧会(広州モーターショー)」が開幕。広州モーターショーは2003年から始まり、今回で22回目だが、11月24日までの会期中、展示会場には500台以上の「新エネルギー車」を含めて国内外のメーカーが新モデルなど約1200台を出展しているという。

開幕直後の週末(11月16、17日)の朝刊各紙にも今回のショーの見所などを紙上公開しているが、このうち、日経は「PHV、中国で伸長、広州汽車や吉利、新型車,EV偏重から転換鮮明」との見出しで、「中国勢が新型のプラグインハイブリッド車(PHV)を次々と発表。1~10月の中国新車販売はPHVのシェアが15%超となり、2割を占めるEVとの差は縮まっており、新たな競争市場が生まれている」など報じた。

朝日は「新エネ車 主役はファーウェイ、『SDV』ソフトが価値左右」とのタイトルで、「EVで世界市場を席巻する中国自動車産業の競争の舞台が、ソフトウェアへと移っている。購入後も通信によってソフトを更新し、自動運転や車内エンターテインメントなどの機能を向上させる車の発売が相次ぐ。存在感を高めるのはファーウェイ(華為技術)やバイドゥ(百度)といったIT大手だ」とも伝えた。

また、産経などは共同通信の配信記事を掲載。「EVなど『新エネルギー車』の普及が急速に進む中、劣勢を強いられている日系各社はEVの最新車種をそろえ、反転攻勢を目指す」。加えて「トヨタ自動車はSUVの新型EV『bZ3X』を来年春発売すると発表」。続けて「日産自動車は新型EVセダン『エポック』を公開。ホンダは24年度から順次発売予定のEV「燁(イエ)」シリーズを展示。ホンダ車の象徴である「H」のロゴを刷新し、巻き返しを図る」。

また「中国勢では、自動車事業に参入したスマートフォン大手の小米科技(シャオミ)が高い加速性能が売りの高級スポーツEVを公開。比亜迪(BYD)はEVやプラグインハイブリッド車(PHV)の最新モデルを幅広く披露」などと報じていた。

さらに、読売は11月17日付け朝刊経済面のトップ記事は、「中国新エネ車市場席巻、日欧勢存在感低下」の見出し。それによると「EVやPHVなど『新エネルギー車』の販売が加速。中国メディアによると、中国の新エネ車の生産台数は今年初めて1000万台を突破し、年間では前年比25%増となる見通し」とながらも「新エネ車の販売を増やしているのは中国メーカーで、日系や欧州系ブランドは存在感の低下に直面している」とも指摘。

さらに、記事では「中国メーカーのブースが熱気を帯びる一方、日系ブランドのブースは盛り上がりに欠けていた。ホンダと中国・東風汽車との合弁『東風本田』のブースには、全17車種が展示されていたが、ガソリン車7台、HV6台、EV4台の構成で新エネ車以外が大半を占め、客足もまばら」。しかも「PHVは『在庫切れ』(担当者)を理由に出展はなく、来場者の中国人男性は『デザインや性能面で、中国勢に負けている』と話していた」などと、日系各社の劣勢を象徴するような衝撃的な現地ルポも取り上げていた。

2024年11月18日付

●COP29トランプ復権、パリ協定に影、再離脱の準備着手か(読売・9面)

●仏、ゴーン被告公判請求、文化相も検察当局汚職罪で (読売・29面)

●期待一転首相に打撃、トランプ氏と面会断念 (朝日・3面)

●社説、危険運転の処罰、社会常識反映する法に (朝日・6面)

●自由貿易推進を宣言、APEC首脳保護主義けん制、トランプ政権警戒 (毎日・1面)

●東海道新幹線(祝)60周年、止まらぬ進化これからも (東京・22面)

●元トヨタ社員、副業を本業に、外国人材と企業の架け橋 (日経・35面)

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