普通、クルマは買ったときから価値が下がる。そんな常識に挑もうというのがトヨタの手がける「KINTO FACTORY(キントファクトリー)」。愛車にさまざまな機能を後付けして、クルマの価値をアップグレードしちゃおうというサービスだ。そんなKINTO FACTORYに新しいメニューが加わった。これでクルマの下取り価値がアップしちゃうかも?

文:ベストカーWeb編集部/写真:KINTO、ベストカーWeb編集部

■アルヴェルのスライドドアの開閉スピードを変える!

30系アルファード/ヴェルファイアのスライドドアの開閉速度を速くするという人気メニュー

 2022年1月にスタートしたトヨタの「KINTO FACTORY」。トヨタやレクサス、GRのクルマに対して後付け対応が可能なアップグレードプランを提案し、ユーザー体験をより高めようというサービスだ。

 開始からおよそ3年という「若い」サービスだが、すでに対象車種が約30車、取り扱いアイテムは約90種類にまで拡大していて勢いを感じる(※2024年11月現在)。

 すでにヒット作ともいえるメニューも登場しているので紹介しよう。

 まずは30系アルファード/ヴェルファイアに設定した「パワースライドドア速度アップ」。ソフトウェアの更新によってパワースライドドアの開閉スピードを約20%速くできるというものだが、急いでいる際の乗り降りや雨天時の送迎にニーズがあり、人気だという(両側ドアで税込1万9800円)。

 もう一つがレクサスNXのイルミネーションアップグレード。NXの車内には、ドアトリムやフロントトレイ、足元などを照らす間接照明(いわゆるアンビエントライト)が備わっているのだが、その部分のLEDを高輝度タイプに交換して、より明るくしようというものだ。

 このメニュー、一見地味に思えるがものすごい反響を呼び、他のKINTO FACTORYの年間受注の総数を1日で達成してしまうほどの人気を見せたというから驚く。ちなみに費用は6万6000円也。

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■クラウンクロスオーバーのホイールを別グレードのタイプに!

クラウンクロスオーバーのホイールが他グレードのものと公開できる新メニュー

 11月20日、そんなKINTO FACTORYに新しいメニューが加わった。

 まずはクラウンクロスオーバーのホイールを、購入時とは別のグレード・特別仕様車のデザインに交換するメニュー。

 対象となるのは2024年に一部改良となったクロスオーバーRSとZ、さらに22年に発売したクロスオーバーRS“アドバンスト”、クロスオーバーRS、クロスオーバーG“アドバンストレザーパッケージ”、クロスオーバーG“レザーパッケージ”という6グレードとなる。

 公開できるホイールは2種類ある。ひとつはクロスオーバーZとクロスオーバーG“アドバンストレザーパッケージ”、クロスオーバーG“レザーパッケージ”を対象に、クロスオーバーRSに標準となる切削光輝+ブラック塗装の21インチホイールに交換するもの。価格は25万690円(税込)だ。

 もうひとつは、上記6グレードすべてを対象に、クラウン専門店「THE CROWN」だけで取り扱っている特別仕様車「クロスオーバーRS“ザ・リミテッド-マットメタル”」が装着するマットブラック塗装21インチホイールへの交換だ。こちらは25万9490円(税込)となる。

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■メーターデザインを追加するサービスもある

追加される新メーターデザイン。今回対象車種にクラウンクロスオーバーとランクル250の一部グレードが加わった

 新しいメニュー。もうひとつは、すでにアルファード/ヴェルファイアやクラウンスポーツなどで展開中のメーターデザインアップグレード。従来車種に加えてクラウンクロスオーバーの2024年一部改良車の全グレードと、ランドクルーザー250の一部グレードが対象に加わったのだ。

 これらのクルマは12,3インチの液晶インパネを搭載していて、メーターデザインを4種類から自由に選べるのだが、そのデザインに新たに2種類を追加しようというもの。

 追加されるのは、シックな色使いで落ち着いた雰囲気が演出できる「クラシックギア」と、精悍さが冴える「メタリック」。ちょっと気分を変えたいという人は、この新しいデザインを追加することで、より新鮮な感覚で愛車と接することができるだろう。費用は2デザイン合わせて税込9900円だ。

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■できる限り早く全国展開を目指す

レクサスISの人気メニュー。ボルトの交換で操舵時の応答性や安定性が高まるという「Performance Upgrade “Solid” for IS」

 最後に2025年初旬~中旬頃に開始予定という新メニューもお知らせしておきたい。それがレクサス各車を対象とした「カラードシートベルト」だ。

 これは今乗っているレクサス車のシートベルトを他のカラーに変更するサービスで、トヨタ自動車としては初の試みだという。シートベルトは味気ない黒であることが多いが、これを全8色の中から好みの色に交換できる。レクサス車の内装はラグジュアリーなものが多いから、この効果は大きいはずだ。

 対象車種はまずRX/RZから始め、他車種にも順次展開予定とのこと。価格は10万円前後を予定しているという。

 さていかがだったろうか。愛車をいじる楽しみは以前からあるが、メーカー純正のアイテムを使ってそれができるということは、安心感やリセールバリューといった点でも心強い。

 KINTO FACTORYは今のところ一部エリアで未実施の状態だが(※車両を実施エリアに持ち込めばサービスは受けられる)、できる限り早く全都道府県でのサービス実施を目指すとのことなので、将来も楽しみだ。

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