最近の自動車関連ニュースから気になるものをピックアップし、自動車評論家の片岡英明氏に分析していただくこの企画、ここでは2024年9月に発表されたトヨタのBEV用次世代電池工場新設計画についてお伝えする。

※本稿は2024年9月のものです
文:片岡英明、ベストカー編集部/写真:トヨタ
初出:『ベストカー』2024年10月26日号

■地盤を固めつつあるトヨタのBEV計画

2030年のBEV販売台数を引き上げようと画策するトヨタ。それにはBEV用電池の確保が急務だ

 トヨタは2024年9月6日、BEV用次世代電池の工場を新たに福岡県に新設し、既存工場の兵庫県と合わせて生産能力を拡大すると発表しました。

 現在BEVの販売は伸び悩みですが、今後を見据えての動きと見られます。

●片岡氏のコメント

 トヨタはBEV戦略を見直し、2030年のBEV販売台数を引き上げようとしている。マツダやスバルもトヨタと共同で開発を進めるから、要となる電池は供給不足に陥る可能性が出てきた。経産省も補助金を出して後押しする姿勢を見せているから、生産能力を拡大するのだろう。

 パナソニックと共同出資する兵庫県の姫路工場は新ラインを設置し、2026年秋から生産を開始する予定だ。そして次世代電池を生産する工場は福岡県苅田町に建設する。新工場の建設と運営を行うのは、電池生産子会社のプライムアースEVエナジーだ。こちらは2028年から生産を開始する。

 増産体制を築くだけでなく全固体電池の開発や生産計画も含まれているというから本気の取り組みだ。トヨタは2030年に世界販売350万台を掲げたが、いよいよ現実味を帯びてきたね。

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