価格高騰中の中古車が値崩れする日……中古車バブル崩壊を夢見て、その時が来たら何を買うだろうと妄想する。しかし価格がいくらだろうと、最後に人はふたつの集団に分かれることになる。すなわち、買うヤツと買わないヤツだ!!

※本稿は2024年9月のものです
文:清水草一/写真:ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年10月26日号

■買い時はいつ? 強烈に欲しいと願ったその時だ!

筆者は「フェラーリを買わずには死ねない」という思いを抱き、買える値段にまで下がった瞬間に飛びついた。カウンタックもまだ安かった

 人間、多くの人が欲しがっているモノがあると、つい自分も欲しくなってしまう。

 多くの人が欲しがると、需給関係が崩れ、流通相場が上昇する。上昇が続いていると、今後も続くだろうと思えてくる。それが自分の欲しいモノならば、「買っても損はないな」と思えるし、欲しくないモノでも、「買っといて売れば儲かるな」となるから、ますます価格は上昇し、欲望が増幅する。

 モノは、本来欲しいから買うんであって、欲しくないのに買う人が出てくると、需給関係が狂い、常軌を逸した高騰となる。これがバブルである。欲しいモノが高騰すると多くの人は高すぎて買えなくなるが、まだ上昇が続いていれば「無理してでも!」と頑張れたりする。これが高値掴みである。

 ところが一転下落が始まると、自分が買える値段にまで下がっても、「今買えば損するな」という思惑が働く。よって、「もうちょっと下がったら買おう」「〇〇万円を切ったら買おう」などと考えて見送る。これがビビリである。

 もちろん、もうちょっと下がって〇〇万円になった時に買えば「めでたしめでたし」だ。しかし〇〇万円まで下がっても、「もっと下がるかも」と思うと、なかなか買えない。値段が今の10分の1に暴落すれば、ほとんどタダみたいなはずなのに、多くの人はそのタダが買えない。

 その時初志を貫徹し、カネをドブに捨てるつもりでアタックできた者だけが、人生の勝利者になれる。趣味車の高騰はクルマ好きとして憂うべき現象だが、それが暴落した時は、勇気を試される。

 カーマニア諸君! 次回暴落が発生した時は勇気を持ってアタックしよう! 生きてるうちに! 死んじゃったらなんにも買えなくなっちゃうんだから!

*   *   *

 クルマは高すぎても買えないが、安すぎてもなかなか買えない。価格が安定しているのが一番なわけだが、安定を約束してくれる人は誰もいない。

 結局すべてを決めるのは自分の欲望の強さ。欲望が強い人はいくらでも買うし、弱い人はいくらでも買わない。中ぐらいのあなた、せめて暴落した時は買いましょう。

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