EV化がささやかれる昨今のクルマ業界でレクサス「IS500」のエンジンはターボでもハイブリッドでもないNAという時代の流れに取り残された生きる化石である。対して1000台限定で発売される「スカイラインNISMO」はどちらもたまらなく魅力的だ。そんな2台のどちらかが買えるとなったら、あなたはどうしますか?

※本稿は2024年10月のものです
文:片岡英明/写真:奥隅圭之、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年11月10日号

■どちらも魅力のFRセダン対決

基本設計は古いが最新のテクノロジーを盛り込む日産 スカイラインNISMO

 スカイラインNISMOは400Rと同じ3L・V型6気筒DOHCツインターボをファインチューニングし、7速ATのシフトスケジュールも最適化している。サスペンションとスタビライザーも専用セッティングとし、タイヤも前後異サイズのスポーツタイヤを履いてポテンシャルを高めた。

 レクサス IS500もスカイラインNISMOと同じように「羊の皮を被った狼」だ。数少ないプレミアムハイパフォーマンスセダンで、何の変哲もないセダンボディにパワフルな5L・V型8気筒DOHCエンジンと8速ATを押し込んでいる。ただし、こちらは限定販売ではなく正式なカタログモデル。

 両車とも基本設計は古いが、走りの実力は非凡だ。特にスカイラインNISMOはレーシングテクノロジーを積極的に盛り込み、運転して楽しい「GT」に仕立てられた。V6エンジンはパンチがあり、レスポンス鋭く高回転まで気持ちよく吹き上がる。

 IS500は自然吸気V8ならではの刺激的な加速フィールが魅力だ。低回転からパワーとトルクが盛り上がり、7000回転まで使い切ることができる。

 どちらもリア駆動の気持ちいいハンドリングが魅力だ。が、スタビリティ能力とハンドリングの妥協点が高く、レカロシートとカーボンフィニッシャーを選べるスカイラインNISMOにプラス加点。

片岡英明氏の評価

●日産 スカイラインNISMO……古い車体をしっかりと仕上げた操縦性を発揮
●レクサス IS500……481psを発揮するNAのV8、5Lは希少価値

*   *   *

●日産 スカイラインNISMO
・価格:788万0400円
・WLTCモード燃費:―
・全長×全幅×全高:4835×1820×1440mm
・ホイールベース:2850mm
・車両重量:1760kg
・エンジン:V型6気筒DOHCターボ
・総排気量:2997cc
・最高出力:420ps/6400rpm
・最大トルク:56.1kgm/2800-4400rpm
・トランスミッション:7速AT
・サスペンション:F=ダブルウイッシュボーン R=マルチリンク
・タイヤサイズ:F=245/40R19 R=265/35R19

●レクサス IS500
・価格:850万円
・WLTCモード燃費:9.0km/L
・全長×全幅×全高:4760×1840×1435mm
・ホイールベース:2800mm
・車両重量:1720kg
・エンジン:V型8気筒DOHC
・総排気量:4968cc
・最高出力:481ps/7100rpm
・最大トルク:54.6kgm/4800rpm
・トランスミッション:8速AT
・サスペンション:F=ダブルウイッシュボーン R=マルチリンク
・タイヤサイズ:F=235/40R19 R=265/35R19

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