ミニバン×本格オフローダーという、唯一無二のカテゴリーで存在感を発揮している、三菱の「デリカ D:5」。現行型は2007年登場と、かなりのロングセラーだが、ちらほら次期型のウワサも聞こえ始めてきている。オンリーワンのSUVミニバン、デリカD:5は次期型でどう進化するのか!?? 期待も込めて想像してみよう。

文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:MITSUBISHI

オールラウンダーなクルマ、三菱「デリカD:5」

 1.5ボックスのミニバンスタイルでありながら、三菱伝統の四輪駆動システムや堅牢なボディ剛性により、本格的なオフロード性能を備えている三菱「デリカD:5」。ファミリーカーとして便利に使うこともできるし、あらゆる地形でのアウトドアレジャーにも対応する、まさにオールラウンダーなモデルだ。

 その力強いスタイリングも魅力的で、特に2019年に実施されたビッグマイナーチェンジでは、フロントマスクに「ダイナミックシールド」コンセプトが採用され、縦型形状のLEDヘッドライトによって大胆かつ斬新な印象に。2019年度のグッドデザイン賞も獲得するなど高く評価もされている。

 このマイナーチェンジで、デリカD:5はディーゼル専用モデルとなった。2.2L コモンレール式DI-D クリーンディーゼルエンジンの採用により、デリカらしい粘り強い走りと高い質感を両立しつつ、優れた環境性能も確保している。男らしいデリカD:5にぴったりなパワートレーンだ。

現行型デリカD:5。画像は特別仕様車「BLACK Edition」
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次期型では、PHEV化によって、さらに魅力的に!!

 ただ、いくらデリカD:5とはいえ、いつまでもディーゼル1本で許されるわけではない。未来のデリカをイメージしたという、ジャパンモビリティショー2023に出展された電動クロスオーバーコンセプト「三菱 D:X コンセプト」では、アウトランダーPHEVに搭載されている2.4L 直4エンジンに前後2モータータイプが採用されており、すでに市場での評価が高いパワートレーンであることから、次期デリカD:5にもそのまま採用される可能性が高いと考えられる。

 モーターによる駆動は、常に路面状況が変化するオフロード走行に向いている。三菱の電動4WDシステム「S-AWC」は、走る・曲がる・止まるを統合制御することができるため、滑りやすい路面やぬかるんだ泥濘路でも細かくトルクを制御することができるし、オンロードでも、ドライバーの意のままにクルマを操る感覚や、同乗者への揺れの少ない快適さを提供することもできる。ディーゼルエンジンの力強さも捨てがたいが、次世代電動化モデルならではの走りが、さらにデリカの狙いを具現化してくれるに違いない。

 ただ、PHEV化によっては、価格上昇は避けられない。現行デリカD:5の税込415~473万円に対して、アウトランダーPHEVは税込526~659万円であり、およそ100~190万円高い。ファミリーカーとしての側面も持つデリカD:5が、一気に高額ミニバンへとなることに抵抗があるユーザーのため、次期型でも、ディーゼルモデルがラインアップに残るのではないかと筆者は考えている。

デリカD:Xコンセプトの「シースルーボンネット」。前方の路面状況とフロントタイヤの切れ角などを組み合わせて表示することができる

デザインは現行同様、高級路線を狙ってくるのでは

 デザインに関しては、D:X コンセプトはかなり未来的なデザインで、このまま市販されることはないだろうが、D:X コンセプトが放っていたラグジュアリーなイメージは、そのまま市販モデルに反映されると考えている。D:X コンセプトでは、ボディカラーにグランピングをイメージしたカッパーを採用してセミグロスで上質感を加え、インテリアにはインパネやシートにタンカラーの本革をレイアウトし、アルマイトグレー色の金属調パーツが配置されるなど、ラグジュアリーさが強調されていた。

 現行型デリカD:5でも、マイナーチェンジ版以降はやや高級路線を狙い、上級グレードのみを残すようモデル体系を整理した。単に「オフロードも走れるミニバン」というより、「世界唯一のオールラウンダーミニバン」としての付加価値を高めることを意識しているのだろう。次期型もその路線を狙い、内外装に上質な雰囲気を纏わせた高級ミニバンという方向で開発するに違いない。

コンセプトカー「三菱 D:X コンセプト」。このまま市販化するとは思えない外観だが、デリカらしさは表現されている

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 三菱の電動化技術とファミリーカーとしてのノウハウ、そして力強さを表現するための魅力的なデザインによってさらに魅力的になると思われる次期デリカD:5。唯一無二のSUVミニバンがどんな進化を見せてくれるのか!?? 2025年と予想されている次期型の登場が、非常に楽しみだ。

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