ヒョンデとの緊迫した戦いを制し、トヨタが4年連続のマニュファクチャラーズタイトルに耀いた2024年のラリージャパン。その戦いの現場では、自動車メディア「ベストカー」も画期的なイベントを行った。題して「『モリゾウさんに聞け!』inラリージャパン2024~あなたの質問がベストカーの記事になる~」。観客とモリゾウさん、さらには多くの「トヨタのエライ人」まで巻き込んでのやりとりは、まさかの新車計画まで明かされる前代未聞の内容。いったいどんなことが話されたの?

文:ベストカーWeb編集部/写真:上原あずみ、ベストカーWeb編集部

■まるでトヨタの商品化決定会議!?

モリゾウさん自ら質問者を指名し疑問に答えた(左からトヨタイムズ富川悠太さん、トヨタ自動車中嶋裕樹副社長、モリゾウさん、ベストカー本郷仁)

 クルマ好きのオジサンであり、トヨタのマスタードライバーでもあるモリゾウさんに、直接質問をぶつけちゃおうというかなり無茶な(笑)イベントが開かれたのは、11月23日、ラリージャパンの拠点となった豊田スタジアムの西イベント広場ステージ。

 イベントの冒頭、モリゾウさんは「ブーーーー!」とブブゼラを吹きながら登場。そこへベストカーの編集担当取締役の本郷が「質問のお手本」と称して「セリカ、出るんですか?」と、いきなり渾身の右ストレート級の質問を繰り出した。

 モリゾウさんは「僕は会長でCEOでもないから執行(役員)に聞いてみよう」と答え、中嶋副社長をご指名。中嶋さんが「こういうことを公開の場で言っちゃっていいんですかね、セリカ、やっちゃいます!」と回答すると、会場は大歓声に包まれ早くもヒートアップ。

 この勢いに乗って、会場からはさまざまな質問が寄せられた。最初の問いはラリーの現場らしく「2025年シーズンからラリー1ハイブリッドが廃止されることをどう思うか」という内容。

 これに対してモリゾウさんはTOYOTA Gazoo Racingオーナーとしてマイクを握った。

「ラリーには音と臭いが必要。土煙を上げて、音が聴こえて目の前をウワーンといくのも、ラリーの魅力の一つ。今年、ハイブリッドには全チームが苦労してきて、それを見たFIAの判断だと思うが、我々からすればエンジンだろうがハイブリッドだろうが、ラリーがエキサイティングで楽しいことが重要です」

■新型GRカローラの日本投入も明言!

WRCのラリー1についてはもっとチームを増やして人づくりにつなげねばと語った

 山形県から来たという方はこんな質問をぶつけた。「GRカローラが欲しくて抽選にも応募したが落ちてしまった。北米では新型が発売されたが、クルマ好きの若者として日本でも出るのか聞きたい」

 これに対して中嶋副社長が「これだけ熱望されるクルマを作れる我々は幸せ者。頑張ります!」と答えたが、ベストカー本郷が「納得できない。はぐらかしているみたい」と突っ込み、代わってGRカンパニーGR商品・ラリー事業部の南山要一部長がマイクを握った。

 南山部長は当初躊躇していたが、意を決して「出ます!」と宣言。足回りや加速性能が進化した新しいGRカローラが、日本にも導入予定であることが明らかになった。

 未来を担う子どもたちからも質問があった。地元から家族でラリー観戦に来た10歳の猪飼美月さんは「将来(女の子でも)ラリードライバーになれますか?」と尋ねた。

 大きな拍手の中、モリゾウさんは「もちろんなれます。今回も女性ドライバーとして参加している人もいるしコ・ドライバーもいる。彼女たちの活躍の場はもっともっと広がるはず。TOYOTA Gazoo Racingとしても応援したい」と激励した。

 美月さんはラリー1ドライバーを目指しているとのこと。ぜひとも夢をかなえてほしい!

■三菱、スバルに熱いラブコール!

直前のイベントに参加していた大嶋和也さんと小林可夢偉さん。モリゾウさんのマイクは彼らにも向けられた

 かねてからモリゾウさんは三菱、スバルがラリーをやりたいなら支援すると語っているが、会場からはその思いを確認する質問もあがった。

 モリゾウさんは「私の気持ちは変わってないんですが、両メーカーからはまだ答えが来てない。ぜひ三菱さん、スバルさんのトークショーに行って同じ質問をしてほしい(笑)」と2社の奮起を促した。

「WRCのラリー1は現在3チーム。もっともっと増やしたい。チームが増えれば(ドライバーの)シートも増えて、人づくりにもつながる。日本メーカーもヨーロッパメーカーも含めて、競争はたくさんあったほうがいい」とのことだが、これは多くのラリーファンの想いと同じだろう。

 旧車が好きという方からは、AE86やセリカといった過去の名車を、電気や水素によって残していくことはできないかという声もあがった。

 これには中嶋副社長が「クルマは思い出を作るもの。僕たちはその思い出を未来に残していきたいと思う。昔のクルマにも新しい技術を注ぎ込む。そういうことやっていきたい」と答えた。

 これを受けてモリゾウさんも「トヨタは年間1千万台ほどのクルマを作る会社だが、保有台数では1億台にもなる。新車を作って売るという商売だけではなくて、そういった長く使っていただいている方からも応援してもらえるような会社になりたい」と述べた。

 この他にもモリゾウさんには質問が相次いだが、その度に思いもよらぬ人にマイクを振るモリゾウさんの機転の早さには一同舌を巻いた。

 WEC(世界耐久選手権)の話題では小林可夢偉さんが翌週のラリーチャレンジ参加までアピールし、次期GR86の話題ではスーパー耐久で監督権ドライバーを務める大嶋和也さんが、3気筒ターボのGR86レースカーについて紹介した。

 さらに会場には、ルヴァン杯で優勝して優勝報告会を終えたばかりの名古屋グランパスのメンバーもおり、長谷川監督や選手たちの生の声が聴けたこともサプライズだった。

 トークショーはまだまだ続き、中盤にはクルマ好きが気になる新型エンジンの話題も飛び出した。その中身は、改めて紹介しよう。

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