50代以上のおじさんにとってクルマの装備の進化ぶりについていけないという人も多いはず。特に説明書も見ないようなアナログおじさんはきっとイラっときていることだろう。そんなおじさん世代にとってイラっとくるクルマのいらない装備とは?
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部
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■おじさんが思わずイラっとくる「いらない装備」
おじさんにとって、ありがた迷惑といいたくなる、イラっとくる装備は最新車にたくさんついている。そのいっぽうでもう手放せない装備も存在する。
真っ先に思い浮かぶのは、バックする時に下を向くリバース連動のサイドミラー、エンジンが再始動する時の音が大きくてうざったいアイドリングストップ機構、「自分でやったほうが早いわ」のリモートパーキング、そこまで必要かとなかなか装着車が増えない電子式サイドアウターミラーといった具合に出てくる出てくる……。例外として新しもの好きにとってはちょっぴりそそられるヨークハンドルがある。
そのいっぽうで、いまやなくてはならない装備となった、義務化されたバックカメラをはじめとして、ACC(アダプティブクルーズコントロール)、電動パーキングブレーキ&オートブレーキホールドもある。人それぞれ感じ方が違うと思うが、今回は50代以上のおじさんにとって、これはいらないと思わせる装備を紹介していきたい。
■オートハイビームっていらない? いる?
先日、レンタカーを借りて、夜の国道を走行中、ハイビームになっているのに気づいて、慌ててロービームに切り替えたが、エンジンをきってまた走り出すとまたハイビームになっている。
あまり他人に迷惑をかけたくない小心者の筆者はこのオートハイビームは、対向車や前方車の存在を感知するとロービームに自動車で切り替えるとはいえ、多少のタイムラグがあるため、相手のクルマから横柄な運転者に思われるのがなんとも不快。道交法では普段の夜間走行ではハイビームが基本、対向車が来た場合にはロービームに切り替えると定められているが………。
例えばトヨタでは、トヨタセーフティセンスのオートマチックハイビーム(標準装備、一部オプション)では、先行車や対向車のライトを認識し、ハイビームとロービームを自動で切り替え、夜道の視界を確保。
さらに最新のオートハイビームとして「周りに迷惑にならない範囲で最大限ハイビームを使って、少しでも夜間の視野を広げよう」という、トヨタ&レクサスの「アダプティブハイビーム(AHB)」、マツダの「アダプティブLEDヘッドライト(ALH)」などが登場した。
気になるのは、オートハイビームが100%機能するのかということ。トヨタのオートハイビームの説明書を見ると、以下に当てはまる時には適切に作動しないことがある。
見通しの悪いカーブで対向車と突然すれ違った時、他車が前方を横切った時、悪天候(大雨・濃霧・雪・砂嵐など)の起伏や段差が多い道路を走行している時、フロントウインドウガラスが汚れている時や曇っている時、カーブが多い道路を走行している時、などとなっている。
明るさによってヘッドライトを勝手に付けたり、消したりするオートライトは必要かなと思うけど、オートハイビームはいらないんじゃね、思ってしまう。
狭い道で向こうから歩行者や自転車が来たらロービームに切り替えたり、どしゃぶりなど悪天候の時など、自分の意志で切り替えたほうが速いという時に出くわした時があるので、なんでもかんでもオートにすべきではないと思うのだがいかがだろうか。
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■ワンタッチウインカーって本当にいるのか?
ワンタッチウインカーがあることすら知らないおじさん(失礼)に改めて説明しておくと、ウインカーレバーを1回操作すれば、3~5回ウインカーが点滅して自動的に消灯するのが、ワンタッチウインカーだ。
ワンタッチウインカー最大の利点は切り忘れが防止できること。ウインカーを点滅させたまま直進を続けるクルマいると、後続車や歩道者などは、いったいそのクルマがどこに行きたいのか戸惑うことが多いが、ワンタッチウインカーならばこうしたトラブルを回避できる。
でも、ワンタッチウインカーが付いていない車種では、交差点で右折、左折をして、ハンドルを戻せばたいていの場合、点滅は消える。ウインカーの切り忘れってあるのだろうか? むしろ、車線変更などでは、しっかりウインカーレバーを戻してやらないとウインカーがつけっぱなしになる場合もある。
かなり手前でウインカーを点滅させてしまうと、肝心の曲がるポイントや車線変更時にウインカーが点滅していないといった本末転倒な状況になることも考えられる。
つまり、ワンタッチウインカー装備車を運転している時は、ウインカーを点滅させるタイミングを慎重に見極めなければならない。そしてもうひとつの難点は、一度作動させたワンタッチウインカーのキャンセルができないこと。間違って作動させてしまっても、一定時間はウインカーが点滅し続けてしまうのだ。
道路交通法では「進路を変える際、進路変更が完了するまでウインカーを出し続けること」とあり、また「進路変更では、進路変更する3秒前にウインカーを出せねばならない」と決められている。
3秒しか点滅しないワンタッチウインカーは、クルマが車線変更を行う際にウインカーが作動してない状況もしくは車線変更と同時にウインカーが作動することになり、道路交通法の「合図不履行違反」となる可能性があるのだ。
こうしたことを踏まえ、トヨタはワンタッチウインカーの採用は慎重だが、ワンタッチウインカーを初採用したヤリスでは点滅回数は5回に設定されている(これを3回に変更するキットが販売されているが)。
主に車線変更時のウインカー消し忘れを防止するために考えられたものだが、右折信号で前車が3~4台連なっている場合など3秒以上になることが多く、逆にウインカーレバーを押す回数が増えてしまうことも考えられる。
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■音声認識機能って使えないってほんと?!
音声認識技術はAppleの「Siri」、Googleの「OK Google」などを使い、コマンドを音声で入力することでステアリングから手を離さずにナビ&オーディオ&空調、そのほか多彩な機能が使える。
しかし、筆者が乗っている最新トヨタ車の音声認識機能ははっきりいってお世辞にも”使える”とはいえない。ナビで行きたい場所を自分の声で叫ぶのだが、行きたい場所が出てきたことはほとんどない。はっきり読み取れない声なのかもしれないが、いつもイラっとしてしまうのだ。もっと精度が上がってほしいと思う反面、お前の声がよくない、もっと活舌のいい声を出せと言われそうな気もするが……。
これに加えて、インフォテイメントシステム周辺のセンサーに手をかざすことで、オーディオの曲送りや曲戻し、エアコンの温度調整などを行うことができる「ジェスチャーコントロール」も、なにもそこまでやらなくてもいいんじゃないの? と思ってしまう装備だ。
駐車支援機能のパーキングアシストに関しても、やっと実用的になったかなと思えるレベルに達しており、今後もさらに進化していくだろうから暖かい目で見ている。スマホの画面上をぐるぐると回し続けるリモートパーキングをやるくらいなら、自分で停めたほうが早いと思うたちなので、70代以上になったら考えるかもしれない。でも都内の極狭駐車場ならいいかも……。
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■デジタルアウターミラー装着車はもう増えない?
2018年10月に発売されたレクサスES300hに設定され、注目を集めたデジタルアウターミラー。その後2020年8月に登場したホンダeにも採用されている。
さらに2020年8月のマイナーチェンジでレクサスESにメーカーオプションとして設定された。 2021年8月の一部改良(同年10月に発売)では、カメラの性能を向上させて、LED特有の画像のちらつきを抑えるなどの改良を実施した。
しかし、デジタルアウターミラーの採用車はさっぱり出てこない。やはり価格が高いのが普及のネックになっているのではないか。
現在、3グレード構成のESにおいてデジタルアウターミラーが装着できるグレードは最上位の「Version L」と「F SPORT」。「Version L」はメーカーオプションで22万円、「F SPORT」はパノラミックビューモニターとの組み合わせが条件でその価格は28万7100円となる。
たしかに降雨や視界の悪い霧のなかを運転する時は便利だが、そんな状況はめったにない。後席に乗車している場合やラゲッジルームにいっぱい荷物を載せている場合に重宝するデジタルインナーミラーはいいと思うが、フェラーリやランボルギーニのような後方視界が極端に悪いクルマにはピッタリだと思うのだが、普通にクルマにはいらないかも……。
筆者のようなアナログおじさんは、サイドミラーが見えづらい場合は、降雨を除けば、サイドウインドウを開けて目視するので、あまりいらない。
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■最後に下取りに有利なオプション装備とは
装備について最後に役に立つ情報を1つ。これは最新のトヨタ車を購入しようと思っている人に下取り時に有利な、付けておいたほうがいい装備を少しばかり紹介しておこう。
それはなにかというと、デジタルインナーミラー、ヘッドアップディスプレイ、先進運転支援機能のトヨタチームメイト、ディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plus、パノラミックビューモニターなどのメーカーオプションだ。。
設定されている車種であれば、付けたほうが査定が高くなるのがモデリスタエアロ。そのほか、アルヴェルだとユニバーサルステップ(乗り降りが楽になるディーラーオプション)やムーンルーフ、ハリアーだと調光パノラマサンルーフなど、全体的に先進安全装備が中心となる。これらが付いていないと査定が下がってしまうことがあるのでケチらずに付けておきたい。
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