ニッポンのメーカーは世界から見たときにどれほどの力を持っているのか?? ニッポンの企業の世界への影響力徹底的に取材、分析した2013年の企画から、燃費のいいクルマ日本一vs世界一を比較!(本稿は「ベストカー」2013年9月26日号に掲載した記事の再録版となります)

文:編集部

■「アクア超え」の燃費を誇るホンダ2代目フィット ハイブリッド

2013年9月5日に発表されたフィットハイブリッド。JC08モード燃費は36.4km/L

 2013年9月5日に発表された2代目フィット ハイブリッドは、JC08モード燃費36.4km/Lと、日本車の中では間違いなく一番!

 2位のアクアは35.4km/Lだから、1km/L上回ることになる。この36.4km/Lという燃費、これが日本一ならば、はたして世界一になるのだろうか?

 そこで、市街地モード、高速走行モード燃費を組み合わせたフィットハイブリッドの欧州複合燃費を比べて見ようと、ホンダに問い合わせてみると、まだ欧州複合燃費を計測していないとのこと。

 ちなみに欧州複合モードの低燃費トップクラスを挙げてみる。1位のゴルフTDIブルーモーションは31.25km/Lで、1.6L直4ターボディーゼル(MT)を搭載している。

 2位は1.2Lターボディーゼルを積むポロ1.2TDIブルーモーションが30.3km/L。ディーゼル強し! だがアクアと同じ1.5L HVシステムを搭載するヤリス(ヴィッツ)HVが28.57km/Lで3位に食い込んだ。

 それでは、JC08モード燃費36.4km/LのフィットHVはどのくらいの燃費になるのだろうか?

 ここでプリウスを例にJC08モード燃費と欧州複合燃費を比べて見る。JC08モード燃費はLグレードが32.6km/Lだが、それ以外は30.4km/L。

 欧州プリウスの全グレードの複合燃費はすべて25.6km/Lとなっている。そこで欧州仕様のグレードは一番安い日本のLグレードと同じとは考えにくいので、Lグレード以外のJC08モード燃費、30.4km/Lにして計算すると、JC08モード燃費に比べ欧州複合燃費のほうが25.8%燃費が落ちている。

 これをフィットHVにあてはめてみる。フィットHVはJC08モード燃費が36.4km/L、Fパッケージは33.6km/L。フィットHVもおそらくこのFパッケージ仕様が欧州仕様になると仮定し、Fパッケージの33.6km/Lに0.842をかけると、28.29km/Lになった。

欧州複合燃費に換算した場合の燃費ランキング

 この数値はズバリ、日本一であっても世界一ではないということ。これに対して国沢さん、どう思いますか?

「フィットはプリウスと同じアトキンソンサイクルエンジンを採用しているので、ほぼこの数値をかけても大きな間違いはないだろう。

 フィットHVはホンダが気合いを入れて作ったクルマ。しかし燃費は日本一かもしれないが、1グレードのみの燃費スペシャルでしょう。アクアは全グレードが35.4km/Lとご立派。これでは世界一と認められませんね」

 たしかに欧州ディーゼル車の複合燃費を上回ることはできないかもしれない……。

 結論はフィットHVの燃費は日本一と認め、世界一には惜しくも届かず! ということにしましょう!

JC08モード燃費ランキング

記事リンク

前の記事

低燃費性能 低価格化…… 永遠のライバルのダイハツ VS スズキ 軽ガチバトル徹底研究【10年前の再録記事プレイバック】

次の記事

実はとある裏技で省エネで車内を涼しくできる!? [日産]の意外なアプローチとは

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。