今ではコンパクトSUVとして市場に展開され、北米では新型も登場した日産キックス。しかし過去は軽自動車やピックアップトラックテイストのセダンになったりと、さまざまな姿に変化していたのだった!
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■ストーリーのはじまりは東京モーターショー
日産キックスといえば、現在販売中のモデルはe-POWER専売のクロスオーバーSUVモデル。海外では先行して新型が登場したことで、日本への導入が期待される1台となっている。
そんなキックスだが、実は現行モデル以外にも同音の車名が使われていたことがあり、日産では意外にも歴史の深い車名となっている。歴史を振り返ると、初代キックスと言えるのが、1995年に開催された第31回東京モーターショーでお披露目となったコンセプトカーだ。
このモデルは一見するとリフトアップしたセダンのように見えるが、トランク部分が上部のカバーと下側にヒンジを備えたリッド部分に分かれており、いわばトノカバーを付けたピックアップトラックの荷台のようになっていたのが最大の特徴。
またリアシートを倒すことでトランクスルーも可能とし、全長2mほどの長尺物も積載できる使い勝手の高いものとなっていた。
続いてキックスの名前が使われたのが、1998年のパリモーターショーに出展されたモデル。こちらは初代とは一転、コンパクトなボディを持ったエコカーとして登場した。
同モデルは3Lの燃料で100kmの走行を可能とすることを目的として開発され、パワートレインには4気筒のコモンレール式直噴ターボディーゼルエンジンを搭載。ベースとなったのは当時のマーチとされているが、あくまでコンセプトカーの域を出なかったようだ。
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■市販車のデビュー作は軽SUV
その後、ようやく市販モデルとして登場したのが2008年にリリースされた軽SUV。一目見て分かるように、三菱パジェロミニのOEMモデルとなっていた。ただパジェロミニに設定されていた2WDモデルやNAモデルは用意されず、全車4WD+ターボエンジンというラインナップだった。
当時のCMでは「日産ミニ四駆」というキャッチコピーが使われるほどとなっており、フロントグリルはエクストレイルを彷彿とさせるものが採用されていたことからも分かるように、日産SUVのエントリーモデルとして重要視していたようだ。
このようにさまざまなモデルに使用されてきた「キックス」の名前だが、英語表記では、初代から「XIX」、「KYXX」、「KIX」、「KICKS」とすべて異なっており、メーカーとしては別車種と考えているフシもあるユニークなクルマなのである。
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