東京湾アクアライン上り線においては混雑分散のため時間変動料金を採用している。混雑分散をより効果的にするため、ピーク時の通行料金1200円を1600円にし、オフピーク時には600円を400円にする。時間帯別料金は下り線にも導入される。
千葉県では12月3日に、より効果的な料金体系を検討するため、第4回東京湾アクアライン交通円滑化対策検討会を開催し、新たな時間帯別料金を提案した。 2025年4月1日から実施の予定だ。
◆ETC時間帯別料金の社会実験
アクアライン上り線(木更津→川崎方面)においては、土日・祝日の特定の時間帯に激しい混雑が発生していたことから、集中する交通を分散させるため、ETC時間帯別料金、いわゆる時間変動料金の社会実験を実施している。期間は2023年7月から2025年3月31日までの土日・祝日、対象はETC搭載車(全車種)。実験では混雑時間帯の通行料金を上げて、その後の時間帯を下げている。
現在の時間帯別料金は次の通り(普通車ETC利用の場合)。
通常時・0~13時:800円※
混雑時(ピーク)・13~20時:1200円
非混雑時(オフピーク)・20~24時:600円
※アクアラインの通行料金は、普通車の通常料金は1960円だが、ETC搭載車は800円の割引料金が適用されている。
アクアラインの通行台数は、2009年にETC普通車の通行料金が800円になって以降、増加が著しい。2023年度の日平均交通量は過去最多の5万2800台となっていた。
◆時間帯別料金のこれまでの効果
社会実験開始後、13~20時の交通が前後の時間に分散し、最大損失時間が減少するなど、社会実験による混雑の緩和に一定の効果が確認されたが、依然として13~19時に交通が集中している。全日の交通量は実験開始後も増加を続けている。
また交通分散の効果が鈍化しており、実験開始直後と比較して、所要時間の短縮や渋滞長の短縮が減少している。さらに土日・祝日の下り線(川崎→木更津方面)では5~7時に交通が集中しており、川崎浮島JCTから木更津JCTまでの通過所要時間は、通常17分のところ土曜日の7時台には最大25分となっている。
◆新料金は差が大きくなる
検討会はより効果的な料金体系を提案した。上り線については、依然として交通が集中している時間帯からの交通転換を図るため、料金差を大きくした料金設定にする。下り線についても混雑時間帯からの交通転換を図るため、時間帯別料金を新たに試行する。
新たな時間帯別料金(案)は、上下線それぞれに時間帯と料金を設定する。下り線の時間帯別料金は新設となる。
アクアライン新料金●上り線
時間帯
混雑時:13~19時
非混雑時:0~4時、20~24時
通常時:4時~13時、※19時~20時
※料金が急激に変わる時間帯に、緩衝となる料金を設定。
料金(普通車ETC利用の場合)
混雑時:1600円
非混雑時:400円
通常時:800円
混雑時は割引後料金の2倍となる1600円、現行から400円増とする。非混雑時は割引後料金の半額、現行から200円減とする。通常時は現行の割引料金だ。
●下り線
時間帯
混雑時:5~7時
非混雑時:0~4時
通常時:7~24時、※4~5時
※料金が急激に変わる時間帯に、緩衝となる料金を設定。
料金(普通車の場合)
混雑時:1000円
非混雑時:400円
通常時:800円
混雑時は割引後料金の1.25倍となる1000円、現行から200円増とする。非混雑時は上り線と同様に割引後料金の半額、割引後料金から400円減とする。通常時は現行の割引料金。
対象期間は2025年4月1日~2026年3月31日の予定だ。なおETC搭載車に対する割引は2025年3月31日までの予定なので、時間帯別料金の変更とともにこちらも延長されると思われる。
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