2035年問題やCAFE規制(企業別平均燃費基準)などで全メーカー電動化は必須。スバルのストロングHVが発表されたことで、国内自動車メーカーの最新HVシステムが出揃った。ここで各社のHVシステムについておさらいしてみる。

※本稿は2024年10月のものです
文:片岡英明/写真:トヨタ、日産、ホンダ、三菱、マツダ、スバル、スズキ、ダイハツ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年11月26日号

■THS(トヨタ)

シリーズパラレル式ハイブリッドのTHS。エンジンとモーターを走行状況に応じて効率よく働かせる

 THS(II)は2モーターのシリーズパラレル式HVだ。エンジンとモーターの両方で駆動するとともに、モーター走行の時でも発電できる。

 2つの動力を走行状況に応じて効率よく働かせ、減速時エネルギーなどを発電に回して再利用もできるから燃費がいい。今では4WDもある。レクサス LCは4段変速を採用したマルチステージHVだ。

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■e-POWER(日産)

 エンジンで発電機を回して発電と充電を行い、その動力でモーターを回して走るのがシリーズ式HVのe-POWER。エンジンは発電するだけで、走行用動力には使わない。

 エクストレイルは発電用に可変圧縮比のVCターボを採用した。既存のパワートレーンを使い、手軽にEVの力強さと低燃費を実現できる。だが、高速での燃費は今一歩だ。

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■e:HEV(ホンダ)

 シリーズパラレル式HVのi-MMDの流れを汲むe:HEVは駆動用と発電用、2つのモーターを搭載し、これに直列4気筒エンジン(1.5Lと2L)の組み合わせだ。

 電力が蓄えられていればモーター走行だが、急激な加速が必要な時などはエンジンを使って走る。EVに近い滑らかなパワーフィールと高い静粛性、優れた燃費など、多くの特徴を持つ。

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■PHEVシステム(三菱)

 シリーズ式HVのアウトランダーとエクリプスクロスの特徴は、充電ポートを備えたプラグインHVであること。電気があればEV走行を行う。

 高速走行や電気が少なくなってくると発電するが、駆動の切り替えは巧妙だ。パドルを操作してエネルギー回生のコントロールすることもできる。給電機能もあるため、災害時などに役に立つのも魅力。

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■XD-HYBRID(マツダ)

エンジン効率が悪い領域ではモーター走行する。ターボラグもモーターがカバー

 火花点火制御圧縮着火(SPCCI)を用いたSKYACTIV-Xに続く意欲作が、直列6気筒ディーゼルに48VマイルドHVを組み合わせ、驚異的な燃費を実現したe-SKYACTIV D 3.3だ。

 加速時のターボの応答遅れをモーターがカバーし、エンジンの効率が悪い領域ではモーター走行する。減速時には、エンジンを介さずにエネルギー回生も行う。

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■e-BOXER(スバル)

 最新のe-BOXERは、状況に応じてエンジンとモーターを効率よく使い分けるシリーズパラレル式のストロングHVだ。

 ミラーサイクル化した2.5L水平対向4気筒エンジン、駆動用と発電用の2つのモーターとデフをひとつにまとめたトランスアクスルに、機械式4WDを組み合わせている。運転する楽しさが増し、燃費は約20%向上した。

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■ISG付マイルドハイブリッド(スズキ)

 既存のパワーユニットにISGと呼ぶモーター機能付きジェネレーター発電機を加え、最小限の電池を積むシンプルな構成だが、それなりに燃費向上を期待できる。

 減速したときに発生するエネルギー回生を利用して発電を行い、加速時には溜めた電気を使ってエンジンをアシスト。モーターは補助的だが、減速時には回生し、電池への充電も行う。

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■e-SMARTハイブリッド(ダイハツ)

 ダイハツロッキーと、兄弟車のトヨタライズが採用するe-SMARTハイブリッドは、発電専用の1.2L直列3気筒エンジンにモーターを組み合わせたダイハツ独自のシリーズ式HVシステムだ。

 THSより軽量コンパクトに設計でき、コスト低減も図りやすい。瞬発力と扱いやすさは1Lのターボエンジンを凌ぎ、燃費もクラストップの実力を誇る。

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