4月25日に行われたアップデートにより、「グランツーリスモ7」にソニー・ホンダモビリティのバッテリーEV(以下「BEV」)「AFEELA Prototype(アフィーラ・プロトタイプ)2024」が追加された。

AFEELAは、ソニー・ホンダモビリティが開発しているバッテリーEVで、2025年中には北米で予約が開始される予定だ。電気自動車を開発する新興メーカーは世界的にも増えているが、これまで総合電機メーカーとして事業を展開してきたソニーが、電気自動車の開発に参入するということで、発表された当初は大きな話題を呼んだ。そのAFEELAをいち早く「グランツーリスモ7」の世界で楽しめるということで、早速試乗してみることにした。

「グランツーリスモ7」の「AFEELA Prototype 2024」フロントビュー。

AFEELAは、単なるBEVではない。車両周辺の障害物をより緻密で正確に検知することのできるLiDAR(ライダー)やセンサー類が取り付けられており、レベル3までの自動運転を実現したり、車内での新たなエンターテイメントしたりできる。

「グランツーリスモ7」の「AFEELA Prototype 2024」リアビュー。

デザインも従来のクルマと比較すると斬新で、フロントには「メディアバー」と呼ばれるディスプレイが装着され、表示される映像を自分の好みのデザインにしたり、これからの天気や車両の情報などを外部に伝えることもできるとされている。

フロントには「メディアバー」と呼ばれる外部向けディスプレイが装着される。

インテリアでは、運転席から助手席まで一直線に伸びたワイドスクリーンが装着され、運転に必要な情報のほか、ドライバー以外の乗員は大画面でエンターテイメントを楽しむこともできる。ステアリングはそれらの画面に干渉しないように、まるで飛行機の操縦桿のように上部が切れた独自のデザインとなっている。操作するスイッチ類もシンプルで、それらのディテールが「グランツーリスモ7」の世界の中で細かく表現されているのはさすがだなと感じた。

コックピットはメーター類が位置する場所を超横長液晶パネルが覆っている。

実際に「グランツーリスモ7」でAFEELAを走らせてみると、きちんとBEVであることが伝わってくる。内燃機関のモデルと違って、とにかく走行音も室内も静か。実際のAFEELAは、走行音もカスタマイズできるらしいが、「グランツーリスモ7」では、モーター音のような近未来的な音のみになっていた。

ゲームながらも「AFEELA Prototype」のBEV的な加速感が実感できた

モーターのスムーズで圧倒的な加速感もきちんと再現されている。アクセル操作を踏み込んでみると、低速から高速まであっという間に加速する。AFEELAはフロントとリアそれぞれにモーターを有するAWDモデルなので、トラクションもばっちりだ。

私は、実車のAFEELAに乗ったことはないが、「リアルだなぁ」と感じたのは、例えば富士スピードウェイのホームストレートでフル加速した後に、1コーナーでブレーキングすると、車重が重くてなかなか止まり切れないこと。

車重が重いため、ブレーキングは要注意。

AFEELAの車重は公開されていないが、前後にモーターを搭載するAWDモデルで、駆動用のバッテリーは91kWhとされている。同じようなスペックとサイズ感のBEVである日産アリアの車重は約2200kg。おそらくAFEELAもそれくらいの車重になると思うが、2トン超えのモデルをサーキットで走らせるのは至難の業だ。おそらく「グランツーリスモ7」と同じようにブレーキングで苦労すると思うので、それをゲーム上でも再現しているのは面白いなと思った。

また、BEVらしく回生ブレーキもきちんと効いている様子。コース上では回生ブレーキの減速感はあまり感じられないが、アクセルを離した時にメーターを見ると、バッテリーに充電されている緑色のマークが出ているので、きちんと回生ブレーキは動作しているようだった。

グランツーリスモ7のAFEELAは、実車が楽しみになる体験だ。

「グランツーリスモ7」でAFEELAを体験してみて、実車ではなくてもそのポテンシャルやモデルの雰囲気が感じられて、バーチャルでも楽しい試乗ができた。AFEELAは、ゲーム上では無料で手に入れることができるので、皆さんもいち早く「グランツーリスモ7」の世界でAFEELAを試してみて欲しい。

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