2024年5月9日、ホンダは6月に発売を予定している新型フリードをホームページで先行公開した。ノーマルの「フリードAIR(エア)」とクロスオーバーSUVスタイルの「フリードクロスター」をラインナップ。ここでは、先代モデルから大幅に魅力がアップした、「フリードクロスター」を徹底解説!

文:ベストカーWeb編集部/写真:茂呂幸正、ベストカーWeb編集部/モデル:ゆづ

■個性がさらに強調されたフリードクロスター

新型フリードクロスター。写真はホンダ新色のデザートベージュパール

 ”ちょうどいい”サイズとパッケージングで大ヒットした初代、2代目に続いて、3代目フリードは2024年6月に発売を予定している。その発売に先駆けて、5月9日、新型フリードの情報を特設サイトにて先行公開した。

こちらがフリードAIR。ステップワゴンに似たシンプルでクリーンなデザイン。売れそうだ

 新型フリードのラインナップは標準仕様のAIRと、クロスオーバーSUVスタイルのフリードクロスターだ。ステップワゴンに似たシンプルなデザインのAIRも好印象だが、今回のフルモデルチェンジで目立ちすぎといってもいいほど、魅力度マシマシで登場したのがフリードクロスターだ。

金属調のグリルとガーニッシュ、黒い樹脂製パーツでクロスオーバーSUVスタイルを主張

 フリードクロスターは、先代にはなかった黒い樹脂製バンパー&フェンダーをはじめ、金属調の専用グリルやロアガーニッシュ、ヘアライン仕上げのアルミルーフレールなどの専用パーツが装着され、先代モデルよりもさらにタフなクロスオーバーSUVスタイルとなった。

 ボディサイズはフリードAIRが5ナンバーサイズの全長4310mm(+45mm)、全幅1695mm(同じ)×全高1755mm(-105mm)に対し、フリードクロスターは全長4310mm(+45mm)、全幅1720mm(+25mm)、全高1755mm(-105mm)で、全幅はブラックの樹脂フェンダーモールによって25mmワイドの全幅1720mmとなる。

黒い樹脂製パーツがタフでカッコいい

■クロスターのみ2列5人乗りが選べる

直線を基調とした視界のいいコクピット

 新型フリードのバリエーションは、フリードAIRが、7人乗り(2列目ベンチシート)、6人乗り(2列目キャプテンシート)だが、先代モデルにあった5人乗り2列シートはなくなった。

 いっぽう、フリードクロスターは6人乗り(2列目キャプテンシート)のほか、5人乗り2列シートも選べる。ちなみにスロープ仕様(福祉車両)はクロスターがベースとなる。

フリードAIRは3列6人乗り仕様、3列7人乗り仕様の2つ。フリードクロスターは3列6人乗り仕様と2列5人乗りの2つのバリエーション

 フリードクロスターの6人乗りの2列目キャプテンシート仕様は、1列目2列目シート間は+30mm拡大し、3列目シートは+65mmと居住性が拡大。

 3列目の跳ね上げシートは、シート固定位置を90mm低く、かつ手前にしたおかげで、これまで斜めに収納されていたシートが、直立収納できるようになり、シート跳ね上げ時の幅は+160mm拡大した。

3列目の跳ね上げシートは使い勝手が素晴らしくよくなった

 合わせて先代では三角形に近い形状だったリアクォーターウインドウは新型フリードでは四角形となり大型化したことで圧迫感がなくなり明るい3列目に進化した。

 また先代モデルにはなかった天井に取り付けられた後席用クーラー(足元にはエアコン吹き出し口)も嬉しいポイントの1つ。ただし、2列シート仕様の設定はない。

3列シートに設定される後席用クーラー吹き出し口

 さて、クロスター専用となる2列目キャプテンシートの5人乗り仕様は、大開口の2段式収納を持つラゲッジルームと、ダブルフォールダウン機構のシートでフラットなフロア、いろいろなものを取り付けることができるステンレス製のユーティリティサイドパネル、ちょっとしたものを掛けられる6カ所のユーティリティナットを備えるテールゲートなど、釣りやアウトドア、キャンプに重宝しそうな工夫を凝らした作りになっている。

2段式ラゲッジスペース。サイドには、いろいろなものを取り付けることができるステンレス製のユーティリティサイドパネルがある

 驚いたのは、フリードクロスターのテールゲートを開けた時の開口部の広さ。開口部高さ1255mm、開口部地上高の335mmはコンパクトミニバントップを誇るという。ちなみに開口部最大幅は1080mm。

 ラゲッジは超低床フロアを活かした2段収納となっており、下段は靴などの収納、上段のスペースはフラットなフロアで後席を倒せば車中泊ができる長さを備えている。

6カ所のユーティリティナットを備えるテールゲート。ランプやハンガーなどが掛けられる

■パワートレインは1.5L、e:HEV搭載

ホンダアクセスの純正アクセサリー装着車

 現時点でホンダから新型フリードに関するパワートレインは明らかにされていないが、e:HEVになることだけはリリースに記載されている。ただし、ガソリンエンジン仕様も用意される可能性が高い。ちなみにプラットフォームは先代フリードからの流用となる。

 e:HEVの詳細については、あくまでも推測となるが、フィットやヴェゼルなどに搭載される、1.5L、直4(106ps/13.0kgm)に駆動用モーター(131ps/25.8kgm)を組み合わせた2モーターシリーズハイブリッドのe:HEVになる可能性が高い。また、ヴェゼルと同様の機械式4WDも用意されるだろう。

 先代フリードクロスターの販売割合はフリード全体の約3割だったが、今回のフリードクロスターはワイルド全開だから、きっと大きく伸長するのは間違いない。釣りや車中泊、キャンプと、「ちょうどいいギア」として大活躍することだろう。

 予想価格はガソリンのフリードAIRが250万円スタート、e:HEVのフリードAIRが280万円スタート、フリードクロスターe:HEVは310万~320万円ほどか。

 

 

 

 

 

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