公益社団法人自動車技術会(JSAE)は5月22日から24日までの3日間、横浜市のパシフィコ横浜においてて、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」を開催する。モビリティの未来を支える技術や知識を共有する場として位置づけられているイベントだ。
31回目のリアル開催となる今回は、590社が1378小間に展開し、過去最大規模となる。内56社が初出展だ。今年の展示会は出展者が前年比約90社増え、展示スペースを「ノース」棟に拡大した。世界初の技術を披露するのは15件、日本初の技術を展示するのは14件の予定だ。来場登録者数は約6万人を見込む。5月15日から6月5日まで「オンライン・ステージ1」も開催され、来場前の事前調査などに利用できる。
5月8日に開催された記者会見で、自動車技術会展示会企画会議の山本一哉幹事(本田技研工業)は、初出展の事業者について「自動車が“モビリティ”に変換しつつある今、CASE領域の会社やスタートアップの初出展が多い」と説明する。また初公開の技術はバッテリー技術、水素関連技術(燃料電池、水素燃焼機関)などがあるという。
開催テーマは「英知を集結しよう!カーボンニュートラル、その先の循環型社会へ」。昨年と同じテーマだが、これは周知を図り、理解を深めるため。
JSAE企画展示は「英知を集結しよう! カーボンニュートラル、その先の循環型社会へ」。欧州では自動車の資源循環に関する規制が強化されており、日本でも自動車リサイクル率は99%に達しているが、サーマルリサイクルが大きな割合を占めている。この比率を下げ、より多くの資源を循環させることが求められている。パシフィコ横浜での展示では、プラスチックを中心としたケミカルリサイクル技術やマテリアルリサイクル技術が紹介される。これらは、サステナブルな資源のあり方を考えるきっかけとなるだろう。
さらに、JSAE企画講演では、カーボンニュートラルをテーマにした6つの講演が行われる。新車開発講演では、マツダとトヨタ自動車の車両開発者がくるまづくりにかけた熱意・思い入れを語る。また、自動車技術会2024年春季大会が同時に開催され、基調講演でトヨタ自動車の中嶋裕樹副社長が「クルマの未来を変えていこう」と題した講演を行なう予定だ。
来場対象者は、自動車・部品・車体メーカーの設計/研究/実験/開発の技術者・研究者、生産技術・品質管理/技術管理/購買部門の担当者、公的研究機関の技術者・研究者、自動車周辺企業の技術関係者、大学/専門学校/工業高校の教職員・学生など。
“EV逆風”などと最近のマーケット状況についての観測があるが、山本幹事によると「ハイブリッドを含めたEV関連技術の出展は引き続き多い。2050年カーボンニュートラルの目標達成に向けて各社努力しており、技術開発は加速している手応え」だという。
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