FR時代の歴代コロナには3~7代目まで2ドアHTも用意されていた。FFに切り替わって突如として登場したのがその後を継いだのがコロナクーペ。その後のカレンのご先祖的モデルを紹介しよう。

文:ベストカーWeb編集部渡邊龍生/写真:トヨタ

■コロナにスタイリッシュなクーペがあったとは

1985年から投入されたこのコロナクーペはFR方式を採用していた先代7代目コロナの2ドアHTの後継モデルとして登場。プラットフォームは4代目ST160型セリカや初代カリーナEDと共有していたモデルで駆動方式は当然ながらFFだった

「こんなカッコいいコロナがあったんだ……」。初めてこのクルマを見た時の印象がこれだった。

 これがコロナクーペ。1990年春、大学入学を決めて入学までの1カ月間、普通免許取得費用のため引っ越し屋でアルバイトをしていたのだが、このアルバイト先での先輩が当時、乗っていたクルマだった。しかも5MT車。

 当時のコロナというと年配の方が乗るクルマという先入観をすでに持っていたため、流麗なクーペボディに面食らったものだ。

 それもそのはず、1983年に登場した8代目コロナの途中、1985年から投入されたこのコロナクーペはFR方式を採用していた先代7代目コロナの2ドアHTの後継モデルとして登場。プラットフォームは4代目ST160型セリカや初代カリーナEDと共有していたモデルで駆動方式は当然ながらFFだった。

■北米仕様ノッチバックセリカのフロントマスクを変更

 コロナクーペの全体的なフォルムは4代目セリカと共通なのだが、ハッチバックモデルのセリカに対し、こちらのコロナクーペはノッチバックモデルでトランクスペースを持つ3ボックスタイプのボディ。

 そう、その後に登場したやはりハッチバックモデルの6代目ST205セリカとその兄弟車、ノッチバッククーペのカレンとの関係に似ている。

 4代目セリカは実は日本国外ではノッチバックモデルも販売していた。リトラクタブルライトを採用していたセリカのノッチバッククーペのフロントマスクを変更したモデルだと言っていいだろう。

 インテリアもスポーティな3本スポークステアリングをはじめ、基本的には4代目セリカと共通。トップグレードの2.0GT-Rには140psの直4、2LDOHC「3S-GE」エンジンを搭載していた。

■疲れていたけど妙にワクワクしたコロナクーペの助手席

自分がコロナクーペの助手席に乗っただけでワクワクした

 車名にコロナのネーミングがつくものの、事実上まったくコロナとは別のモデルとして登場したコロナクーペ。

 その日の引っ越し屋でのアルバイトが終了し、コロナクーペに乗っていたバイト先の先輩の助手席に乗せてもらい、家まで送ってもらったことがあるくらいで、結局自分でコロナクーペを運転したことはなかった。

 でも、引っ越し作業でクタクタになっていた自分がコロナクーペの助手席に乗っただけでワクワクしたのを今でも覚えている。ありがとう、あの時コロナクーペに乗っていた引っ越し屋の先輩(笑)!

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