ホンダの軽二輪モデル、クルーザータイプのCL250とスクランブラースタイルのCL250に、クラッチ操作を自動制御するホンダ E-クラッチ搭載車が登場するという情報を入手した。国内導入はおそらく2025年春。普通二輪免許で乗れるエントリーモデルとして人気の2モデルに、より初心者に優しく、リターンライダーなどにも扱いやすい仕様が登場しそうだ。

文/Webikeプラス    

クラッチ操作なしの新MT機構を250cc人気モデルにも導入?

 2024年モデルのCBR650RやCB650Rに採用されることで、大きな話題となっているのがホンダ E-クラッチ。最新の電子制御技術により、最適なクラッチコントロールを自動制御する世界初の新機構だ。

 

 

 これにより、MT(マニュアル・トランスミッション)車ながら、発進、変速、停止などでクラッチレバーの操作が一切不要(シフトペダルの操作は必要)。また、通常のMT車のようにクラッチレバーを操作したい場合には、機能の作動中でも手動によるクラッチコントロールを行えたり、機能をオフにすることも可能。幅広いライダーの疲労軽減やニーズ、高い安全性などに貢献することが大きな特徴だといえる。

 

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 ホンダは、2023年にこの機構を発表した際、648cc・直列4気筒を搭載するCBR650RやCB650Rだけでなく、幅広い排気量の車種へ適合させることを公表。そうした流れのなかで、軽二輪クラスの先鞭となりそうなのが、レブル250とCL250なのだ。

 

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2モデル同時にE-クラッチ仕様車が出そうなワケ

 2017年に登場したレブル250は、軽量で取り回しやすい車体を持つクルーザーモデルだ。特に、690mmという低いシート高は足着き性も抜群で、発売以来、バイク初心者をはじめ、女性やリターンライダーなどからも大きな支持を受けている。

 2020年のマイナーチェンジでは、灯火器を全てLED化するなどで装備を充実。また、ヘッドライトカウルやフォークブーツなどを装備したレブル250 Sエディションも追加。より多様なユーザーのニーズに対応させることで、250ccモデル群でトップクラスの販売実績を誇っている。

 

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 一方のCL250は、2023年に登場した250ccのスクランブラーモデル。シンプルな佇まいの外観に、特徴的なアップタイプのマフラー、タンクパッドなどを装備。セミブロックパターンのタイヤを採用するなどで、舗装路からフラットダートまで、幅広い路面状況で安定した走行性能を発揮する。

 

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 では、なぜ、これらスタイルの異なるレブル250とCL250に、同じタイミングでホンダ E-クラッチ仕様車が登場するという噂が出てきたのだろうか? 

 それは、搭載エンジンが同系だから。いずれも、249cc・水冷4スト単気筒を採用する。同系エンジンだから、それぞれに専用ユニットを作る必要がなく、同時開発も可能。

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 しかも、ホンダ E-クラッチは、基本的に、従来のMT機構ヘ専用ユニットを後付けするような構造を持つ。そのため、これら2モデルにホンダ E-クラッチを採用することは、比較的容易。加えて、これら理由により、開発や製造コストも抑えられるというメリットもあるだろう。

 そして。これらを総合して考察すると、レブル250とCL250のホンダ E-クラッチ仕様車が、同時またはかなり近い時期に発売される可能性は十分にあるといえる。

Eクラッチはエンストや立ちゴケのリスクを低減

 では、もし、レブル250とCL250に、ホンダ E-クラッチが搭載されると、ライダーにとってどんなメリットがあるだろうか?

 例えば、上り坂での発進、いわゆる坂道発進の時だ。通常のMT車では、右手でアクセルを開けながら、左手でクラッチレバーを徐々に放し、半クラッチ状態にしながらバイクを発進させる。さらに、坂道発進では、発進前にバイクが後退しないようリヤブレーキの操作も同時に必要となる。

 その際に、半クラッチが上手くできないと、急にエンジンをストップさせる「エンスト」を起こしてしまう場合もある。免許取得時に自動車教習所などで習う操作ではあるが、特に、初心者には苦手な人も多いようだ。

 

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 一方、ホンダ E-クラッチ仕様車なら、クラッチ操作がないため、坂道発進でもエンストになることはない。しかも、アクセルとリヤブレーキの操作に集中できるから、よりスムーズな発進が可能となるだろう。

 また、ストップ&ゴーが続く渋滞路の極低速走行時、細い路地などでのUターン時など、通常のMT車であれば、半クラッチを使うシーンは多い。初心者のなかには、急にエンストをして車体のバランスを崩してしまい、立ちゴケする不安を持つ人もいるはずだ。

 ホンダE-クラッチ仕様車であれば、それらシーンでも、半クラッチなどの操作は不要。アクセルやブレーキの操作だけに気を配ればいいため、より安心・安全な走りを楽しめるといえる。

 さらに、クイックシフターのような使い方もできる。例えば、高速道路で前のクルマを追い越したい場合だ。そうしたシーンでも、クラッチ操作が不要なだけでなく、アクセルを戻さなくてもギアを落とし、加速力を増すことが可能。車速が上がってシフトアップする際も、クラッチレバーを握る必要がないから、特に、長距離ツーリングなどでは、疲労度を軽減してくれる効果も期待できる。

気になるラインアップや価格は?

 レブル250とCL250のホンダ E-クラッチ仕様車は、おそらく、通常の6速MT仕様のスタンダード仕様車はそのまま残し、タイプ追加されることになるだろう。CBR650RやCB650Rの2024年モデルも、同様のタイプ設定を採っているからだ。

 ちなみに、両モデルのスタンダード仕様車は2024年4月25日にすでに発売。E-クラッチ仕様車は2024年6月13日に発売が予定されている。

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 なお、レブル250には、フロントカウル付きのレブル250Sエディションもあるが、それぞれにホンダ E-クラッチ仕様車が設定される可能性も十分にありうる。

 発売のスケジュールは、おそらく、まずは、2024年11月にイタリアのミラノで開催されるEICMA2024(通称ミラノショー)で世界初公開されるだろう。その後、大阪、東京、名古屋で開催される2025年のモーターサイクルショーで国内初披露され、日本では同年春頃に発売される線が濃厚だ。

 気になる価格だが、これは今のところ不明。また、通常の6速MTを採用するスタンダード仕様車と、E-クラッチ仕様車の価格差なども分かっていない。

 参考までに、2024年モデルCBR650RやCB650Rの場合を紹介しよう。それぞれの価格(税込み)は、CBR650Rでスタンダード仕様車110万円、E-クラッチ仕様車は115万5000円〜118万8000円で、スタンダード仕様車の5万5000円〜8万8000円高だ。

 また、CB650Rでは、価格(税込み)はスタンダード仕様車で103万4000円、E-クラッチ仕様車は108万9000円だから、スタンダード仕様車の5万5000円高となっている。

 レブル250とCL250のスタンダード仕様車とE-クラッチ仕様車の価格差が、これらと同様になるとは限らない。だが、新機構を加える分、E-クラッチ仕様車の方が高くなることは間違いないだろう。

 ちなみに、現行モデルでは、レブル250が61万500円、レブル250Sエディション64万9000円、CL250は62万1500円だ(いずれも税込み)。

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 スタンダード仕様車も、新機構などの搭載で、2025年モデルの価格はアップされる可能性はある。だが、特に、これら2モデルは、最近増加傾向だといわれる若い世代のエントリーライダーにも最適なだけに、価格上昇するにしても、できるだけ必要最低限に抑えて欲しいものだ。

 

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