好みのサウンドを再生できるユニットだと見込んでESBをスピーカーに選んだ大西さんのトヨタ『カローラスポーツ』。ESBの良さを徹底して引き出すために鳥取県のウェイブトゥポートが質の高いインストールを施し、コンペでも戦える高音質仕様を作り上げた。
◆音の厚みを引き出すために選んだESB
狙った音のために高品質な取り付けを実施
クルマの購入時点でオーディオインストールの計画を練り、純粋なオーディオカーとして作り上げたカローラスポーツ。アウターバッフルの形状は純正のドアに合わせたあくまでもスムーズなデザイン。ライン合わせもスマートで美しい。
フロントスピーカーにはESBのユニットを投入。ドアのミッドバスにはESB 8.165をチョイス。オーナーの大西さんにとって2台目の本格的なオーディオカーとなったカローラスポーツ。そこで大西さんがテーマにしたのは音の厚みや豊かな情報量を引き出すことだった。これを念頭に置いたユニット選びやシステム組みをスタートさせて、真っ先にシステムへの導入を決めたのがESBのスピーカーだった。
フロントスピーカーとして選んだのはESBの3ウェイ。8.028S(ツイーター)、8.075(ミッドレンジ)、8.165(ミッドバス)の各ユニットを組み合わせることで狙いのサウンドを引き出した。大西さんがESBに抱いた印象は“音の厚みを引き出すユニット”だった。そこでESBの持つ良さを最大限に引き出すシステムデザイン・インストールを実施することにした。
ミッドバスはドアにアウターバッフルでインストールされている。ドアの形状にフィットするスマートなデザインのバッフルを組んで、ESBのミッドバスが備える重厚な振動板&フレームを高いクオリティで取り付け処理している。サウンド面でもデザイン面でも極上の仕上がりとしているのは取り付け部を見れば理解できるだろう。
◆サイドガラス側に反射よけのパネルを装備
ツイーターの取り付け加工にはアイデアが満載
ミッドレンジ(ESB 8.075)はAピラー、ツイーター(ESB 8.028S)はダッシュ上にマウントをワンオフして設置される。ツイーターのマウント部を見るとガラス側のサイドを盛り上げて反射除けのパネル形状とする。これでフォーカスを高めている。ピラーまわりへのスピーカー取り付けやディスプレイオーディオの移設など、ワンオフ加工ポイント多数のコクピット。コクピットまわりのインストールで特に目立つのがAピラーまわりへのスピーカー取り付けだ。ツイーター(ESB 8.028S)はダッシュ上のエアコン吹き出し口を利用して取り付けられている。ここに設置したワンオフのマウント部にツイーターユニットがビルトイン取り付けされているのが印象的。ダッシュまわりの加工を最小限にしつつ、狙った場所にツイーターをインストールし最良のスピーカーロケーションを実現した。またスピーカーを取り付けるマウント部の外側には“反射よけ”のパネルが取り付けられている。これはガラスへの反射を防ぐことで音のフォーカスを高める効果があるこだわりの加工部だ。サウンドを知り尽くしたオーナーとプロショップならではの手の込んだ処理が込められた。
一方のミッドレンジ(ESB 8.075)はAピラーに対して大がかりな加工を施した上でビルトイン取り付けされている。ESBの75mm口径のミッドレンジは周囲にグリルを備えたやや大型のユニットだが、加工によりAピラー部分に収めているのが見どころとなった。
この取り付け方法によってツイーター/ミッドレンジの両ユニットは振動板の面を揃えることに成功。サウンド面でのメリットに加えて、ダッシュ両サイドに美しいデザインを込めたのもオーナーのお気に入りとなった。サウンド面では中高域の情報量をスポイルせず、ユニットの持てるポテンシャルを十分に引き出すことに成功した。
◆純正ディスプレイオーディオを移設
フラットなダッシュにこだわった加工を実施
ダッシュ中央部が大きく盛り上がるのを嫌ったオーナー、純正ディスプレイオーディオはグローブボックス上に移設されている。ヘリックスのダイレクターはセンタークラスター下部にスマートにビルトイン取り付けされている。自分の好みの音を明確に持つ大西さん、狙い通りのサウンドを作り上げて満足度も高いオーディオシステムとなった。コクピットへのインストールでオーナーがもうひとつこだわったのが純正ディスプレイオーディオの取り付けスタイルだった。標準の取り付け場所はダッシュ中央上部だが、ここにディスプレイオーディオを取り付けるとダッシュの上にモニター部分が大きく飛び出すことになる。これを嫌い“ダッシュをフラットにしたい”と思ったオーナーはディスプレイオーディオの移設を計画し、グローブボックス上にワンオフパネルを設置して移設することにした。操作性や視認性をスポイルすること無く、ディスプレイオーディオの機能をそのまま利用できるこのスタイルは実用的でスマートだ。
オーディオプレイヤーとしてはゴールドホルンのG3 SEIIを、DSPにはヘリックスのDSPウルトラを用い、パワーアンプにはクワトロリゴのユニット群を採用、そしてフロントスピーカーにはESBをチョイスするシステムデザインを完成させた。「コンペで勝つ」ことを目指して音源からスピーカーまでを厳選してチョイスしてきたオーナーの思いがこのシステムデザインに込められた。今後もシステムアップを加えてコンペでの戦闘力を高めていく予定だという。
音の厚み、情報量を追求した大西さんのカローラスポーツ。取り付け面でも見どころも満載となりデザイン性豊かな仕上がりとなった。サウンド面では“ボーカルの音が厚く表現される”点が特にオーナーのお気に入りポイントになっている。普段使いからオーディオコンペまでを高いレベルで楽しめるクルマに仕上がった。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。