世界で戦う日本車の存在感が高まりつつあった1980年代から1990年代。その頃の日本車を駆り、サーキットを舞台に戦い頭角を表わしたのが、ご存知ドリキンこと土屋圭市氏だ。いまや世界のドリキンとなった土屋氏が、ふたたび当時の日本車に乗る!!

※本稿は2024年4月のものです
文:ベストカー編集部/写真:奥隅圭之
初出:『ベストカー』2024年5月26日号

■時代の熱量を感じる!! 1980年代の日本車たち

初代トヨタ ソアラとセリカXX(A60型)

 「楽しいよねー。この時代の日本車は個性があって、一発でどのメーカーのどのクルマなのかがわかる!!」

 初代ソアラ、そしてA60型セリカXXをいま改めて試乗した土屋圭市氏の第一声だ。

 A60型セリカXXは、セリカXXとしては2代目のモデルとして1981年7月にデビューした。

 同じ1981年、これより約半年前の2月には初代Z10系ソアラが登場しており、ソアラとセリカXXは1980年代の日本車を象徴する、スタイリッシュでプレミアムな“新時代”の自動車という鮮烈な印象で当時の日本国内を色鮮やかなものとした。

 1960年代から1970年代初頭にかけては、モータリゼーションの高まりとともに日本グランプリの開催などともリンクして国内各自動車メーカーはスポーツモデルの投入に積極的だった。セリカやサバンナ、ギャランGTOなどがデビューしたのはこの時代だった。

 これに水を差したのが1973年以降のオイルショックと排ガス規制の強化だった。ガソリンをバンバン燃やして汚れた排気ガスをまき散らす高性能車は社会の敵とされ、自動車メーカーは燃費の改善と、排ガスのクリーン化に力を注いだ。

 これらの技術が一定のレベルに達し、クリーンな排ガスで燃費もいいハイパフォーマンスカーへと向かい始めたのが1980年代だった。Z10型ソアラとA60型セリカXXは、そんな時代の変革を象徴的に表現するクルマだったのだ。

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