2040年に全ての新車を電気自動車(EV)か燃料電池車(FCV)にするという「脱ガソリン」に意欲的なホンダが、欧米や日本などに次いで中国でも大幅な人員削減を計画しているという。
5月15日付けの日経夕刊が「ホンダ、中国で希望退職、1700人応募、販売低迷で合理化」などと報じたほか、きょうの朝日なども追随して取り上げている。
それによると、ホンダと中国の大手国有メーカー「広州汽車集団」との合弁会社「広汽ホンダ」が、5月から工場での生産業務を行う正社員を対象に希望退職の募集を開始したところ、すでに、全体の14%程度にあたる約1700人が応募したという。
ホンダの2023年度の中国での販売台数は122万台と、ピークだった2020年度から3割も減少したほか、24年度販売計画も前年度比13%減の106万台を見込むなど苦戦が続く見通しで、販売不振に伴う工場の稼働率の低下に対応するために人員削減に踏み切らざるを得なくなったとみられる。
その広汽ホンダでは、昨年末にも従業員総数の約7%に当たる派遣社員約900人についても派遣契約を早期に終える雇い止めの形で、いわゆる“派遣切り”を断行したばかりだった。
一方、ホンダは中国市場で、出遅れているEVの専用工場を年内に稼働させる計画で、EVを強化する形で中国事業の立て直しを打ち出している。きょうの日経にも「EVを中心に価格競争が激しい中国でいったん身を縮めてしのぐ一方、米IBMと連携し、自動運転の開発を急ぐほか、中国の構造改革を進め、次世代技術に資源を集中させて『脱ガソリン』の実現を急ぐ」とも伝えている。
ホンダでは、きょう(5月16日)午後2時半から東京・港区青山の本社で、三部敏宏社長による電動化戦略などについての経営説明会「2024ビジネスアップデート」を開催する。三部社長は先の決算会見にも出席したばかりだが、「言うは易く行うは難し」では説得力が弱いだろう。
広汽ホンダのEV『e:NP2』(北京モーターショー2024)2024年5月16日付
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