ラグジュアリーな2ドアスポーツクーペとして登場したトヨタ ソアラ。当時売り出し中の若手レーシングドライバー・土屋圭市もレースでソアラを駆った。が、それが元でトヨタからどやしつけられたという。ドリキン何をやらかした!?

※本稿は2024年4月のものです
文/ベストカー編集部、写真/奥隅圭之
初出:『ベストカー』2024年5月26日号

■ソアラをめぐる忘れられない思い出

トヨタ ソアラ2.8GT Limited 兄弟車であるセリカXXとランデヴー

 初代ソアラはトヨタが持てる技術を結集して開発した、当時の日本車のレベルをはるかに上回るラグジュアリースポーティクーペだ。『未体験ゾーンへ』というCMコピーが忘れられない。

 「初代ソアラと言えばね、1984年だったかな? 今じゃGTアソシエイションの社長やってる坂東親分がさ、当時の坂東商会でトラストと組んでJSSマシンを作ったんだよ。

 その頃オレはまだハチロクデビューする前で、スターレットレースでチャンピオン取ったらハチロク乗せてやるなんて言われていたんだけど、どうしたことかトラストソアラをドライブさせてもらってJSSに参戦したんだよ。

 バリバリのブリスターフェンダーでカッコよかったんだよね。でも、トヨタから怒られちゃった。うちの最高級ラグジュアリークーペをなにしてくれるんだってね」

 今じゃ笑い話のようなエピソード。確かに当時のJSSマシンはバリッとワイドなブリスターフェンダーで優雅さのかけらもない闘うマシンに変貌していたのだから、トヨタの言うこともわからなくはない。

■トヨタ ソアラ2.8GT Limited

トヨタ ソアラ2.8GT Limited(1982年・MZ11型)285万5000円

 1980年の大阪国際モータショーに「EX-8」の名で参考出展された流麗な2ドアクーペがソアラとしてデビューしたのが1981年2月。トップモデルは直6、2.8Lを搭載する2.8GT。淡いクリーム色の2トーンカラーはブロンズガラスと相まって当時の日本車にはなかった豪華な印象を見る者に与えた。

 同年7月には2Lターボ、1983年のマイチェンを機に1G-G型を搭載する2.0GTが追加された。1986年1月、2代目へとフルモデルチェンジ。

●トヨタ ソアラ2.8GT Limited
・型式:MZ11型
・初度登録年月:1982(昭和57)年10月
・当時の新車価格:285万5000円(1981年)
・全長:4655mm
・全幅:1695mm
・全高:1360mm
・ホイールベース:2660mm
・車両重量:1320kg
・前軸重量:730kg
・後軸重量:590kg
・エンジン:直列6気筒DOHC
・エンジン型式:5M-GE
・総排気量:2759cc
・最高出力:170ps/5600rpm ※
・最大トルク:24.0kgm/4400rpm ※
・トランスミッション:4AT
・Fサスペンション:ストラット
・Rサスペンション:セミトレ―リング
・タイヤサイズ:195/70R14
※印はグロス値

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