カローラが変わっても変わらなかったモノ、それはカローラフィールダーとカローラアクシオだ。どちらも法人需要が根強く、登場から10年以上売れ続けるロングセラー車だ。そんなカローラフィールダーだが、かつてはカローラワゴンとして売られていた。

文:小鮒康一/写真:トヨタ

■「カローラワゴン」から改名した「カローラフィールダー」

初代カローラフィールダー

 以前ほどの勢いはないものの、今でもトヨタを代表する車種のひとつであることは間違いないカローラシリーズ。

 現在はセダンのカローラとステーションワゴンのツーリング、そしてハッチバックのスポーツにそれをベースとしたエボリューションモデルのGRカローラと幅広いラインナップを誇っている。

 そんなカローラシリーズの中でも孤軍奮闘とも言えるのがステーションワゴン版のツーリングで、他メーカーがコンパクトサイズ(とはいえ3ナンバーサイズの全幅だが)のステーションワゴンを廃止している中で、唯一気を吐くモデルとなっているのだ。

 そんなカローラのステーションワゴンモデルだが、先代までは「フィールダー」の愛称で知られており、2006年に登場した初代モデルはかなりの人気を誇っていたのである。

■正式ラインナップが開始されたカローラワゴン

 カローラシリーズには初代モデルからステーションワゴンタイプのボディを持つものは存在していたが、日本では長らく商用バンのみのラインナップとなっており、正式に「カローラワゴン」が登場したのは4代目カローラ時代の1982年のことだった。

 その後、カローラワゴンとしては3代目となる100系のカローラワゴンが1991年に登場。90年代後半には「カロゴン」の愛称でCMソングがスマッシュヒットをするなど話題を集めた。

 そして2000年にフルモデルチェンジを果たしたタイミングで車名を「カローラフィールダー」へと改めた。

 これはそれまでのカローラワゴンが商用モデルのカローラバンをベースとしたものだったのに対し、フィールダーはセダンをベースとしたことでより乗用車感が強まったことで、それまでのイメージを一新するために新たなサブネームが与えられたとも言われている。

 ちなみにカローラバンの後継モデルとしてはプロボックスが登場しており、それもあって明確にキャラクターを分けることができたというワケだ。

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■未だにカローラフィールダーが愛されるワケ

未だ根強い人気を持つ現行型カローラフィールダー

 そんなカローラフィールダーは、全長はもちろんのこと全高もセダンよりも50mm高められており、ワゴンとしての使い勝手をさらに高めた。

 さらに、セダンには設定されなかった190PSを発生する1.8Lスポーツツインカムエンジンの2ZZ-GE型エンジンと6速MTの組み合わせが用意されていたのも特徴となっていた。

 その後、フィールダーは代を重ねて3世代のモデルが存在しているが、現行型としてカローラツーリングが登場した現在でも、貴重な5ナンバーサイズのステーションワゴンとして3代目フィールダーが併売されている。

 これはカローラツーリングが3ナンバーサイズに移行してしまったことはもちろんだが、プロボックスからワゴンモデルが消滅した影響もある。

 毎年車検のプロボックスよりも2年ごとの車検となるフィールダーの方を好む事業者も少なくないということも影響しており、この辺りをカバーするのはさすがトヨタと言えるだろう。

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