今回の「人とクルマのテクノロジー展 2024」には、乗用車メーカー7社が出展したが、そのなかで多くの製品や技術を披露したのがホンダと言っていいだろう。そのせいか、来場者もひときわ多かったようだ。

ホンダのブースには、ゼネラルモーターズ(GM)と共同開発した次世代燃料電池システム、そしてそれを搭載した燃料電池車『CR-V e:FCEV』をはじめ、可搬型外部給電機、EVバイク『SC e:Concept(エスシーイーコンセプト)』、着脱式可搬バッテリー、リサイクルPET素材を用いたフロアカーペット、リサイクルアルミ素材を用いた二輪用アルミホイール、バイオ由来プラスチックを用いた二輪用ウインドスクリーン、安全技術のホンダセンシングなどと盛りだくさんだった。

なかでも来場者の関心が高かったのがCR-V e:FCEVだ。今夏に日本と米国で販売される予定になっていて、日本の自動車メーカーが発売するモデルとして初めて外部から充電可能なプラグイン機能を持った燃料電池車とのことだ。しかも、搭載されている次世代燃料電池システムは、2019年に投入した「クラリティ フューエルセル」に搭載されていたものよりも耐久性で2倍、コストで3分の1を達成し、さらに耐低温性も大幅に向上させている。

また、外部給電機による高出力な電力供給に加え、普通充電ポートに接続する給電専用コネクターにより、気軽に電気を取り出すことができ、日常やレジャー、停電時などいろいろな場面で役に立つ。そのうえ、展示している可搬型外部給電機「パワーエクスポーターイー6000」と接続すれば、非常時や野外イベントなど高出力な電力供給も可能だ。

車両価格については、発売されるときに明らかにされるそうだが、ホンダの説明員によると、儲けはほとんど出ないそうで、たくさん売れても、企業としては嬉しいことではないそうだ。

パワーエクスポーターイー6000については、すでに88万円ほどで販売されていて、災害用として自治体などで売れているそうだ。同製品はクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金の対象で、3分の1が補助される。

EVバイクのエスシーイーコンセプトは、2025年までに販売を予定している10台のEVバイクのうちの1台だ。着脱式可搬バッテリーを使って走るタイプで、ホンダではその導入に向けて着々とバッテリー交換ステーションの設置を進めている。ちなみに、東京都では50数カ所に設置済みだという。

このように、ホンダのブースでは展示した製品を通じて、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みがわかるようになっている。

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