政治資金規正法の改正をめぐり与野党の隔たりが埋まらない中、裏金をめぐる新たな火種が波紋を広げています。
この記事の写真は18枚■裏金問題めぐり “新たな火種”
自民党は、どれだけ野党の要求を飲むのでしょうか。裏金事件に端を発した政治資金規正法改正について、与野党の協議が始まりました。
立憲民主党 笠浩史 国対委員長代理「抜け道、抜け穴のない、規正法の改正が実現するように強く求めてまいりたい」
自民党派閥の裏金・キックバック、何に使われたのか、いまだよくわからないものも少なくありません。
しかし、明らかになったものもあります。
明かしたのは安倍派に所属していた菅家一郎元復興副大臣。
「何ら法的に違反していたり、そういうことは一切ない」
その使い方をめぐり―
自民党 森山裕 総務会長「国民の理解を得られないようなことは、慎むべきであると私は基本的に思っております」 公明党 山口那津男 代表
「きちんと国民に説明できるようにすること、姿勢が重要」 日本維新の会 音喜多駿 政調会長
「とんでもないスキームだと思う。見直す必要があると思います」
図を手にしているのは、自民党の菅家一郎元復興副大臣。
そこには、「安倍派」「裏金になるのでは」「個人名で寄付」などと書かれています。
「『派閥から記載するな』という話があったもんですけど、これ記載しないと裏金になるのではないかということで、わたし個人名義ですべて政党支部、事務所に入金して、法にのっとって制度にのっとって申請をして還付を受けた案件」
派閥からキックバックされた、1289万円。
それを自らが代表を務めた政党支部に寄付し、結果、およそ148万円の所得税の控除を受けていたといいます。
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■キックバックで所得税控除 その仕組みは?■キックバックで所得税控除 その仕組みは?
菅家元副大臣が利用したのは「政党等寄付金特別控除」という制度。
これは政党などに寄付した場合に所得税が減額される制度で、個人献金を促進するために導入されたものです。
ところが今回、菅家元副大臣が寄付したのは、自らが代表を務めた政治団体。
そして、その寄付の元手の一部は安倍派からキックバックをされた資金だったのです。
「法的にはおそらく触れていないかなと思う。しかし問題は10年くらい前に申し合わせをして、こうしたことを絶対やらないと確認しているはず」
そもそもが、個人献金を促すための制度です。
自民党 菅家一郎 元復興副大臣「今後、道義的にどうかといえば、私は悪いわけではない。一切、法を犯したわけではない。適正にやってきたことだけは、しっかり認識してもらわなければ」 自民党 菅家一郎 元復興副大臣
「今後どうするかは検討すべき案件」
菅家元副大臣は、派閥側の収支報告書の修正に合わせ、2024年1月に個人名義から派閥名義の寄付に修正、控除分を全額返還したと説明しています。
稲田朋美幹事長代理も、同じように自らが代表を務める党支部に寄付をし、所得税の一部の控除を受けていたと28日明らかにしました。
キックバック分は使っていないとしていますが、修正申告に向けて税理士と相談中だといいます。
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