SNSをきっかけに著名人やその関係者を名乗る人物に投資を勧誘される消費者トラブルが急増し、2023年度は消費生活相談が全国で1629件と前年度の約9.6倍になった。国民生活センターが29日、発表した。
相談は昨年度下半期に急増。相談の平均額は約687万円で、前年度の約234万円を大きく上回った。最も多い事例では、約1億7千万円に達した。
「著名人が主催する投資の勉強会」などといったSNS上の広告をきっかけに投資グループに誘われることが多い。有名評論家や学者、アナリストに加え、これらのアシスタント、弟子、親族といった関係者を名乗るケースもある。
21年度から24年4月末までの相談事例を分析すると、年代別では60代が最も多く31.7%。次いで50代、70代の順で多い。平均額は60代が約852万円、80代以上が約812万円と、高齢者層がより高額になっている。
同センターは「いったん振り込みしてしまうと被害回復は難しい。SNS上で勧誘を受けたら、まず疑って」と呼びかけている。
ほとんどのケースで投資資金の振込先に、個人名義の口座を指定されるが、通常の取引ではありえないことで、同センターは、「個人名義の口座が指定されたら詐欺」と絶対振り込まないよう注意喚起している。(大村美香)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。