ショーの最後にポーズを決めるシャチと飼育員=神戸市須磨区の神戸須磨シーワールドで2024年5月30日午後1時2分、栗田亨撮影

 須磨海浜公園(神戸市須磨区)に新たな水族館「神戸須磨シーワールド」と、併設のホテルが6月1日に開業する。前身の市立須磨海浜水族園時代のイルカショーに加え、新たに親子シャチのパフォーマンスが楽しめるリゾート施設が誕生する。須磨海岸一帯の再開発も進んでおり、年間200万人の集客を目指す。

 鴨川シーワールド(千葉県鴨川市)などの運営会社を含む共同事業体が整備。シャチとイルカのショーが見られる各スタジアムと、2023年5月に閉園した海浜水族園から引き継いだ生き物らが観覧できる「アクアライブ」の3棟で構成され、約520種・約1万7000点の生き物を展示する。

 シャチの展示は西日本で唯一。内覧会では、総水量8500トンの四つのプールを備えた最大2500人収容のスタジアムで、水面高くジャンプしたり、飼育員を背中に乗せて泳いだりするなど息の合ったパフォーマンスを見せていた。

ジャンプするシャチ=神戸市須磨区の神戸須磨シーワールドで2024年5月30日午後0時56分、栗田亨撮影

 施設では、阪神大震災(1995年)による停電で海からの取水が停止し、多くの生き物が死滅した教訓から、海の干満を利用して動力なしで取水する仕組みを取り入れた。

 料金は高校生以上の大人は2900~3700円。小中学生の料金は1700~1800円と海浜水族園と比べ大幅に上がった。そのため、神戸市が約9500万円を負担し、市内の小中学生は年1回に限り500円、幼児は無料となる割引制度を導入した。

 30日の開園前の記者会見で、運営するグランビスタホテル&リゾートの須田貞則社長は「市民に愛され、癒やしを感じられる施設にしたい」と意気込んだ。【栗田亨】

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