私たちの生活圏で相次いでクマが目撃されていることから、秋田市は30日、人工知能(AI)がクマを判別して自動で通報するシステムを導入するほか、市内の全小中学生にクマよけの鈴を配布することなどを決めた。

 下司七虹記者:
「秋田市新屋の水辺の広場につながる通路。クマが出没したということで規制されている。散歩やランニングをしている人の姿はない」

秋田市内では2024年、5月28日までに65件のクマの目撃情報が寄せられている。前年の同じ時期に比べ23件増えている。

学校や住宅、公共施設が立ち並ぶ新屋地区は、目撃情報が増えている地域の一つだ。地区では2023年、運転免許センター近くの住宅の敷地などで4人が相次いでクマに襲われた。

2024年も、5月に入って運転免許センター周辺でクマの姿が確認されていることから、注意を呼びかける看板が設置されている。

こうした市街地でのクマの出没を受けて、秋田市は30日、被害を防ぐための対策会議を開いた。

この中で示された対策の一つが「箱わな」の数を増やすこと。市内には2023年のこの時期、10基の箱わなが設置されていたが、2024年は28日時点で12基。今後も必要に応じて増やされる。

また、目撃情報があった地域に、通信機能がついたカメラを設置する。カメラはAIでクマを判別することができる。クマの出没をAIが判別すると自動で市に知らされ、警察や猟友会に連絡する。

 秋田市・穂積市長:
「AIのカメラを設置することで、出没の時間帯なども特定できる。分析することによって安心感を届けられるのではないかと思う」

さらに子どもの安全を守るため、市内の全小中学生にクマよけの鈴を配布する。加えて、全ての市立学校にクマを撃退するスプレーを配布し、万が一学校敷地内にクマが侵入した際の安全確保につなげる。

 秋田市・穂積市長:
「どこでも・いつでも・誰でもクマに遭遇してしまう。その基本を胸にとめながら行動してもらいたい」

なお、秋田県内では、2024年に入ってからこれまでに5人がクマに襲われけがをしていて、県は29日に、県内全域に発令している「ツキノワグマ出没警報」を6月末まで延長している。

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