日々、昼夜問わずニュースを追う記者たち。彼らが中でも楽しみにしているのが食事のひとときだ。火災を乗り越え復活したチキンカツライスから、厳選した米に気温や湿度で塩加減を調整するおにぎりまでストーリー豊かな店に記者は惹きつけられる。町の隅々まで駆け回った地元記者だからこそ知る名店を紹介したい。
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火災乗り越え復活!変わらぬ味のチキンカツライス/長野
長野で地元記者がおすすめする店は、長野市の大衆食堂「文佳」。大きなチキンカツに甘めのソースをかけた「チキンカツライス」(750円)が看板メニューだ。
この記事の画像(13枚)「文佳」は1975年にスタート。夫婦2人で始めた店は、徐々に評判となり、県庁や裁判所などから出前の得意先となった。長野放送報道部でも、時々、出前をとっている。
やがて両親を見て育った3姉妹が食堂を支えるようになり、家族で協力し、地域の胃袋を満たしてきた。
しかし、2022年、予期せぬ困難に直面する。
近くで火事が起き、「文佳」の建物にも延焼し、営業休止を余儀なくされたのだ。
一時、閉店も考えたが、踏みとどまることができたのは、常連客からの「待ってるよ」という励ましの声だった。
火災を乗り越え2年、2024年3月に営業を再開。長く継ぎ足して使ってきたチキンカツライスのソースは消火活動で使えなくなったが、一から作り直し、復活させた。
家族で支え合って新たな一歩を踏み出した「文佳」。2025年、創業50年の節目を迎えるが、これからも地域に愛される食堂として続いていく。
(長野放送)
《文佳》
住所:長野県長野市大字南長野妻科281
消えた「支那そば」を国内で初めて復元/山梨
山梨で地元記者がおすすめする店は、2024年に60周年を迎える甲府市の「蓬莱軒」。甲府駅の南口から徒歩で20分ほどの店には開店と同時に次々に客が入り、10分後には店内が満席になるほどの繁盛ぶりだ。
これまでにも多くの雑誌やメディアでも取り上げられ、ラーメン雑誌では山梨県ラーメンランキングで1位になったことがある。
店の看板メニューは「支那そば」(900円)。多いときは1日350杯も注文があるという。
具材は肉厚の柔らかいチャーシューに、ナルト、ノリ、ネギに真っ赤なメンマ。麺は細縮れ麺で添加物を使わず、製麺所に依頼したこの店だけの特注品だ。
スープはあっさりとした醤油ベースだが、しっかりとした旨味と芳醇な香り。こだわりのスープの作り方は企業秘密とのことで、麺もスープも創業から変えていないという。
創業者の山下岩雄さん(78)は、「支那そば」とは「食文化の我らのふるさと、心のふるさと、魂だ」と熱く語る。
明治時代、肉や脂の匂いがして日本人に受け入れられなかった中華そばのスープ。そこで、これにしょうゆを入れて肉の臭みを消し、日本版の中華そば「支那そば」が誕生したのだという。
しかし、戦後「支那」という言葉が中国に対する差別用語だと指摘されて使われなくなるとともに、「支那そば」という言葉も消えてしまったのだそうだ。
岩雄さんは「歴史上にあった『支那そば』を世に伝えたくて店を始めた」と言う。その名前とともに、100年の歴史を持つ日本生まれの中華そばの味を復活させた初めての店を自認している。
「支那そば」の他にもチャーシューメン、ボリューム満点のチャーハン、試行錯誤して完成させた餃子が人気のメニューだ。
店の経営は創業者の岩雄さんから7年前に息子で2代目の雄也さんに引き継がれている。
雄也さんに経営を引き継いで苦労したことはと聞くと、「2年前に厨房で火事がおき店を2カ月も休むことになった時は辛かったが、でも辛いことはあっという間に過ぎるんですよ」と明るく語る。
親子二代でつなぐたすき。
山梨で麺と言えば、郷土食の「ほうとう」を思い浮かべる向きも多いとは思うが、お訪ねの際は、この山梨の「元祖支那そば」も味わってみてはいかがだろうか。
《蓬莱軒》
住所:山梨県甲府市中央4-12-28
こだわりの塩加減!厳選したコシヒカリのおにぎり/新潟
新潟で地元記者がおすすめする店は、できたてのおにぎりを提供する「にぎり米」。
榛白優子店長は「農家さんが一年かけて子供を育てるように育て、一年がかりで収穫をする。そのお米を受け継いで一粒一粒心を込めておにぎりを握る」と語る。
にぎり米で使用しているのは、新潟県産のコシヒカリ。中でも県の厳しい管理と栽培基準をクリアした“特別栽培認証米”で、34種類ものおにぎりを提供している。昔ながらのぎゅっと握ったおにぎりではなく、ふっくらとお米をつぶさないように3~4回のにぎりで提供している。
一番人気は「こだわり鮭」と鮭とイクラを使った「さけ親子」の2種類のおにぎりがセットになった「鮭三昧セット」(780円)。
瀬戸のほんじおを使用し、有明海産の海苔はパリパリ感を残すため、あえて立たせて包む。
その日の気温や湿度、店内飲食か持ち帰りかによって塩加減を変えるこだわりようだ。
新潟駅のリニューアルが進み、益々多くの利用客が期待される。
「心をこめて作ったおにぎりを食べてもらって温かい気持ちで帰っていただければと思って」
農家の思いを受け継ぎ温かいおにぎりで人の心も温めてくれるお店だ。
(NST新潟総合テレビ)
《にぎり米 新潟駅前店》
住所:新潟市中央区東大通2-8-4
“松井定食”と呼ばれ人気になったトンテキ/岐阜
岐阜で地元記者がおすすめする店は、地元の人からもプロ野球選手からも愛される洋食店「自由軒」だ。
プロ野球の巨人やメジャーリーグのヤンキースで活躍した松井秀喜さんも注文したトンテキ定食は、“松井定食”と呼ばれて親しまれている。
養老町には野球のバットを製造するミズノの工場があり、その近くにある自由軒にはプロ野球選手も足を運ぶ。
店の壁には選手たちのサインがびっしりと並び、プロ野球の巨人やメジャーリーグのヤンキースで活躍した松井秀喜さんや、中日の元監督・落合博満さん、2022年で現役を引退した福留孝介さんらも来店。
松井さんが食べた「トンテキ定食」(1800円)は、近所の人が「松井さんが食べたやつを食べたい」と訪れ、今では「松井定食」と呼ばれるほど人気だ。たっぷり250グラムの豚肉を使い、ワインで下味を付け、フランベしてアルコール分を飛ばす。
2週間かけて作る自家製デミグラスソースをたっぷりかけて完成。
肉はやわらかく、ソースはまろやかでコクがある逸品だ。
(東海テレビ)
《自由軒》
住所:岐阜県養老郡養老町高田967-1
全国2店舗だけ!激レア“モーニングココイチ”/愛知
愛知で地元記者がおすすめする店は、カレーの全国チェーン「カレーハウスCoCo壱番屋 サンロード店」。「なんだ、いつものココイチか・・・」と思ったそこのあなた!今回紹介する店は通常店と違い、名古屋名物の「モーニング」を食べることができる店舗となっている。
ホットサンドにドリンク・サラダ・ヨーグルトがついて580円。2023年6月から始めたメニューだ。ホットサンドは、小倉やツナマヨ、ハムチーズと3種類から選ぶことができる。
店舗の隣にココイチが手掛けるパンの店「スパイスアップ!ココイチベーカリー」があり、朝からパンを焼いて販売しているため、モーニングを始めたということだ。
ココイチでモーニングを食べられるのはこの店舗と、2024年4月21日にオープンした「新宿エルタワー店」の2店舗だけで、メニューも異なる。
厚切りトーストとクロワッサンのセット(580円)もある。
展開するのがカレー専門店のココイチというだけあり、パンにはターメリックなど、カレーの定番スパイスが練り込まれている。
また、モーニングはプラス300円でカレー(ライス100グラム)を追加することもできるという。
朝8時から10時半まで食べることができる。
(東海テレビ)
《カレーハウスCoCo壱番屋 サンロード店》
住所:愛知県名古屋市中村区名駅四丁目7-25先 名古屋地下街サンロード
藤井聡太が勝負メシにも選んだカツハヤシ/静岡
静岡で地元記者がおすすめする店は、JR沼津駅から徒歩数分。地元民に愛され続けている老舗洋食店「千楽 北口店」。
創業43年で、昼時ともなれば連日多くの客でにぎわう人気店だ。
そんな千楽 北口店の看板メニューが、ボリュームたっぷりのカツハヤシ(1600円)。
分厚いカツと白米に3日間じっくりと煮込んだルーがかかっていて、多い時には1日で140食出る日もあるという。
また、将棋の藤井聡太 八冠が2023年の棋聖戦・第3局で沼津市を訪れた際、「勝負メシ」に選んだことでも知られていて、昨今の将棋界を牽引する天才棋士も食した味を堪能してみてはいかがだろうか?
もちろん、カツハヤシだけでなく、カツ丼やカツカレー、オムライスにポークソテーなど、すべてのメニューが一級品の味であることは言うまでもない。
(テレビ静岡)
《千楽 北口店》
住所:静岡県沼津市高島町5−17
※2024年5月時点の情報です。
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