帝国データバンクによると、この6月は主要食品メーカーの614品目で値上げされる。カルビーは「かっぱえびせん」など68品目で最大10%程度の値上げ。明治は「きのこの山」「たけのこの里」など54品目で最大33%程度。さらに不作によって目立つのが海苔製品。主要メーカーでは、最大20%前後価格が上昇する。

<過去最高の料金に>
食品だけではなく、電気料金も値上がりする。東北電力の7月の料金、つまり6月の使用分は、平均的な家庭で8855円。前の月より419円、2023年7月より1318円の上昇となる。
これは、政府の補助金がなくなることなどが要因なのだが、大きな影響を受けるのは、私たちの家庭だけではない。

<電気代にかかる経費を削減>
照明や冷蔵・冷凍設備などを抱え、電気が欠かせないスーパーにとって、高騰は“死活問題”となる。福島県福島市のスーパーキクタの菊田晴久専務は「今、色んなコストが上がるなかで、電気代が上がるのは企業にとって大ダメージ」と話す。
そのため2023年には、店内を改装するなどして対策を講じてきた。ディスプレイを工夫することで品揃えは変えず、冷蔵・冷凍設備を3割ほど減らした。
さらに、電気代を抑えるため冷凍食品を扱うケースはドア付きのものに一新。2022年の夏にはひと月に200万円ほどかかっていた電気代を、半分程度に抑えることに成功した。

<続く高騰にさらなる対策も>
しかし、6月からまた上がる電気代に、さらなる対策の必要性を痛感している。スーパーキクタの菊田専務は「労働時間の削減と利益率の向上しかない」と話し、価格表示をデジタルに変え、価格変更に伴う値札の取り換え作業をなくすことで人件費の削減にも取り組まざるを得ない状況だという。
企業として生き残るための試行錯誤を迫られる“夏”になりそうだ。

<夏のボーナスは二極化>
企業も試行錯誤しているなか、私たちの賃金はこれからどうなるのか?6月3日に「とうほう地域総合研究所」が夏のボーナス支給額の推計を発表した。
これによると、民間企業は物価上昇対策でベースアップが行われたことなどにより、前の年と比べて4.0%増の30万2027円。夏のボーナスの増加は2年ぶりとなる。
しかし、二極化がみられていて、中小企業を中心に原材料価格の高騰や収益環境の悪化などから、ボーナスを出さなかったり減らしたりする企業もあるという。
一方、官公庁は85万8264円で、2年連続で増加すると推計されている。

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