長野県駒ヶ根市の保育園で「不適切な保育があった」と保護者から相談があったことを受け、市が行っっていた調査の結果が5月31日に公表された。「昼寝をしなかった園児におやつを与えない」など不適切な保育が疑われる言動が3件あったとしている。
調査結果の内容は
5月31日午後、記者会見を開いた駒ヶ根市教育委員会。市内の保育園で不適切な保育が疑われる言動があったと発表した。
長谷川洋二顧問弁護士は「私の調査結果として、おやつについても、便についても、子どもが吐いた時の対応についても、不適切保育と疑われる事実が認められた」と話した。
この記事の画像(5枚)不適切な保育が疑われる言動があったのは赤穂保育園。2023年11月に「昼寝をしなかった園児に保育士がおやつを与えなかった」なとど保護者から市教委に相談があり、調査を委託された市の顧問弁護士が園関係者への聞き取りや保育士・保護者へのアンケートを行った。
その調査の結果、保育園の年中クラスで担任だった保育士1人について、「昼寝をしなかった園児に対し、おやつを与えない」「おもらしをした園児に臭いや汚いと暴言を吐き、処理をしない」「園児が嘔吐した時に汚いと言ってそのまま放置する」の3件の言動があったと認められたという。
長谷川洋二顧問弁護士は「特にお昼寝をしないとおやつをあげない、子どもが非常に楽しみにしているおやつをあげないことを罰則のように使ったということで不適切と疑われる事案だと言う風に考えている」と指摘した。
保育士は事実関係を強く否定
一方、当該の保育士は聞き取りに対し、「子どもがおやつをいらないと言ったのであげなかった」などと話し、3件の言動について事実関係を強く否定しているという。
また、防犯カメラ映像など客観的な証拠もないことから、「不適切な保育」と断定はできず、市教委は処分しない方針だ。
保育士はすでに担任を外れ、別の保育園に異動しているという。
駒ヶ根市教育委員会の本多俊夫教育長は「保育に信頼を寄せてもらえるよう研修等を徹底して、保育士が自信と自負を持って保育に取り組んでいかれるようにすることが何より重要と考える」と話し、保育士同士の声掛けや、保護者・児童と保育士のコミュニケーションが向上するよう研修などを実施していきたいとしている。
(長野放送)
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