新プロジェクト立ち上げの記者会見で、「新名物」レシピへの思いを語る木村英明さん(右)、菅井歩美さん(中央)、小椋直樹さん=土浦市大岩田の霞浦の湯で2024年5月28日午後4時26分、鈴木美穂撮影

 「レンコンの生産量日本一」を誇る茨城県土浦市に、名物料理を出す店がほぼない――。そんな「まさか」の事態を打開しようと、土浦商工会議所青年部が新たなプロジェクトを始動させた。その名も「地元の誇り! 地域を興す新名物!」。市産レンコンの魅力を市内外に伝えるレシピ考案に向け、市内の日本料理店「よし町」の木村英明社長(48)が監修を務める。

 5月28日、市内で開かれた5月例会。小椋直樹会長(44)は刺激的なあいさつでプロジェクトのキックオフを宣言した。「土浦に来たら、これ食べて帰ろう。そういうのがこれまではなかった。(イベントやマップで町おこしをしてきた)カレー以上の名物を作って街を盛り上げたい」

 聞けば、このレンコン。市民にとっては、家庭で食べる料理というのが一般通念で「お店で食べる感覚がこれまではなかった」(複数の関係者)。小椋会長は「市外から来る人から『どこでレンコンを食べられるのか』と尋ねられ、そういえば(少ない)と気づかされた」と語る。

 使う食材は、その土浦レンコンと、市内の老舗店・柴沼醬油醸造のしょうゆ、県産肉。県産を主材料に、地域おこしをかなえる「お宝レシピ」の完成を目指す。

霞ケ浦沿いで栽培されるレンコンは夏にかけて白い花を咲かせる=茨城県土浦市手野町で、内藤絵美撮影

 青年部によると、今後試作品を2、3点作り、8月に市内で開かれる「土浦キララまつり」などのイベントで販売。参加者らの投票で最も人気の高いレシピを「新名物」に選定し、10月に予定している主催イベントで発表する。プロジェクト担当で地域の宝発掘委員会の菅井歩美委員長(39)は「市外から人が集まるような新名物を目指す」と意気込む。

 監修を担う木村社長も青年部のメンバー。料理やサービスに優れ、地域食材の普及などに貢献した料理人に贈られる「料理マスターズ」のブロンズ賞を受賞しており、例会には調理服で臨んだ。「家庭料理としてなじみのあるレンコンだが、市外、県外から来た人が飲食店で食べられないのは寂しい。レンコンの街を印象づけたい」と抱負を述べた。

 青年部によると、年内にも会員が営む飲食店20~30店にレシピを提供する。価格帯は「1000円前後」を想定している。今後、青年部公式ホームページ(https://tsuchiura-yeg.com/)で活動の模様を発信する。【鈴木美穂】

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