今の国会の目玉、政治資金規正法の改正案が衆議院を通過しました。ジャーナリストの後藤謙次さんは今後の法案成立と引き換えに岸田総理大臣が「2つの代償」を払うことになると指摘します。
■政治とカネ 改正案が衆院通過
採決の1時間ほど前…
立憲民主党 西村智奈美代表代行「岸田総理、どちらにいらっしゃるんでしょうか? 岸田総理がこの議場に姿がみえない」
姿が確認できたのは、採決の直前でした。
この記事の写真は12枚6日、衆議院を通過した政治資金規正法をめぐる自民党の改正案。
パーティー券購入者の公開基準を「5万円超」に引き下げることや、政策活動費の使い道を10年後に公開するなど、公明党と日本維新の会の主張を岸田総理が、“丸のみ”する形でまとまりました。
「ザル法です。ザルに申し訳ない。ザルのほうがもっとすくえますから」
ジャーナリストの後藤謙次さんは、今後の法案成立と引き換えに岸田総理はある代償を払うことになると指摘します。
ジャーナリスト 後藤謙次氏「岸田内閣を支えてきた自民党の中軸に相談なしにやったことで、この2人との間に、決定的な亀裂が生まれた」
その2人とは、麻生副総裁と茂木幹事長。この“丸のみ”について反対の立場だったといいます。
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■岸田総理が払う“2つの代償”■岸田総理が払う“2つの代償”
なぜ、岸田総理は公明・維新両党に譲歩したのでしょうか?
ジャーナリスト 後藤謙次氏「岸田さんがここで改正案の成立がなければ、政権が終わりに近づく。だから自公・維新この合意をとるか、あるいは麻生(副総裁)・茂木(幹事長)。その選択の中でそちら(麻生氏・茂木氏)との決別は構わないと判断して、岸田さんは勝負に出た」
党内でも不満の声が上がっています。
自民党 若手議員「最後に全部ひっくり返すトップを応援できない」
不満の声は、地方にも…
4日、自民党・横浜市連の佐藤茂会長は、公の場で総理にこうせまりました。
自民党横浜市支部連合会 佐藤茂会長(支部連合会の大会での発言、4日)「総理自ら責任を取り、身を引くよう苦渋の決断をしていただき」
岸田おろしともとれる発言の真意について、市議に話を聞くことができました。
自民党横浜市支部連合会 佐藤茂会長「今の政治がおかれた風潮ですよね。次に選挙があったとするならば、きわめて厳しい状況。地方の自民党の会長として、地域の党員の声を踏まえて総裁にものを申した」
総理が身を引き、新たな体制で次の衆院選に臨むべきだと主張します。
ジャーナリスト 後藤謙次氏「地方から反政権の火の手があがるというのは、それだけ政権に対する信頼感がない」
党内にまで、“不協和音”を起こしたごたごた劇。その原因は、当初、自民党が出した政治資金規正法の改正案にあると後藤さんは指摘します。
ジャーナリスト 後藤謙次氏「この(裏金)問題の震源地が最大派閥の安倍派だったために、岸田さん自身も当初は被害者意識が強かった。そのため、何がなんでも政治改革やるんだという意欲、決意、それに対する覚悟、すべてないまま一番最後に案を出して、しかも与野党協議の中で決着をしましょうと非常におよび腰の対応に終始したという点では、自民党の政権与党たる資格というのは完全に失われたと言っていいと思う」
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