集約型のワンターミナルの新設などを柱とする「新しい成田空港構想」を巡り、成田国際空港会社は6日、2020年代後半に新しい旅客ターミナルの準備工事に着手し、30年代前半の一部運用開始を目指す考えを明らかにした。貨物地区なども含めた総事業費は8000億円と想定。今後、国や関係機関に働きかけ、早期実現を目指す。
東京都内でこの日あった検討会で、初めて工程を盛り込んだ案を示した。
成田空港の旅客ターミナルは現在三つに分かれているが、第2ターミナルの南側の駐機場や誘導路がある区域に新ターミナルを整備する。既存のターミナルも運用しながら段階的に新ターミナルへの集約を進め、30年代前半に東側部分で運用を始める。30年代後半に全体が完成した後は、旅客需要に応じてさらに拡張を進める。
新ターミナルに直結する新駅は20年代後半から整備を進め、新ターミナルと同時期の運用開始を想定。現在、第1ターミナルの地下にあるJR・京成の成田空港駅は廃止する。
また、B、C滑走路の中間地点への集約を目指す新たな貨物地区は30年代初頭の運用開始を見込む。建設が進む圏央道とのアクセスや物流施設との一体運用を目指す。
成田空港では29年3月までに3本目のC滑走路(3500メートル)を新設し、既存のB滑走路(2500メートル)を1000メートル延伸する機能強化計画が進められている。田村明比古社長は開港からほぼ半世紀を経ているとし、「空港全体が生まれ変わる時期を迎えている。実現に向けて前に進んでいきたい」と話した。【合田月美】
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